微熱好奇心倶楽部@ココログ、スタートします

 これまで他のブログサービスを利用してきましたが、使い勝手の面でこちらに移転することにいたしました。ヨロシクお願いいたします。

 このブログでは、過去にレディースコミック「微熱」および「微熱superデラックス」に掲載された、ライター集団「涼風家(すずかぜや)」が担当した記事を掲載していくとともに、読者のみなさんへの情報(新作DVDなど)を提供していく予定です。
 しかしながら、掲載当時にはタイムリーだった内容も時間の経過とともにあらためてお読みいただくに耐えないものもあり、「好奇心倶楽部」に関しては抜粋しての転載ということになることをご了承ください。

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2012年1月 1日 (日)

2012年、明けましておめでとうございます

 本年も当ブログ、涼風家[SUZUKAZE-YA]をよろしくお願いいたします。

2012

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2011年12月30日 (金)

涼風家シネマクラブ■サンゲリア

監督/ルチオ・フルチ
キャスト/イアン・マッカロック、ティサ・ファロー、リチャード・ジョンソンオルガ・カルラトス、ほか
1980年/イタリア/91分
DVD発売/ジェイ・ブイ・ディー

 ジョージ・A・ロメロ監督の代表的な作品『ゾンビ(78年)』の成功によってさまざまなゾンビ映画が制作され、ホラー映画にゾンビもののジャンルが確立されていったが、ルチオ・フルチ監督の代表作『サンゲリア(原題ゾンビ2)』はそれらの中でも群を抜く。
 ストーリーは、ニューヨークに無人のヨットが流れ着き、船内を調べる警官の前にゾンビが出現。ヨットの持ち主である医師の娘アンは、父の行方を求めて新聞記者のピーターとともにカリブ海の小島マツールへと向かう。その島では奇病が発生しており、死んだ人間が蘇り人を襲っていた。島のただひとりの医師メナードはその原因を科学的に明らかにしようと研究を続けていたが、何もわからないままピーターたちともどもゾンビに襲われてしまう。なんとか島を抜け出したアンとピーターだったが、ヨットのラジオから流れてきたニュースには…。
 というまっとうな展開。フルチ作品はただ残酷シーンが強調されているような評価がされているがこの『サンゲリア』に関していえば映画として成立しているといえるだろう。もちろんゾンビに襲われる人間が内蔵むき出しにされて喰われてしまったりするようなシーンもあり、まだスプラッターなんていう言葉もなかった時代にショッキングな映像ではあったかもしれないが、今日の目で見れば刺激度はそれほどでもない。まあこの映画を有名にしている目に木片が刺さるシーンに関しては、上映されて25年も経った今でも新鮮であるのは事実だが。

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2011年12月28日 (水)

涼風家シネマクラブ■デアボリカ/DIABOLICA

監督・脚本/オリヴァー・ヘルマン
キャスト/ジュリエット・ミルズ、ガブリエレ・ラヴィア、リチャード・ジョンソン、ニーノ・セグリーニ
1973年/イタリア/107分
[DVD発売/JVD]

 70年代後半の映画界には『エクソシスト』によってオカルトブームが巻き起こり、『ジョーズ』などの動物パニックといった見るものを怖がらせる、驚ろかせるといった内容の作品が数多く制作された。今回紹介するイタリア映画『デアボリカ』もそんな作品群のひとつとして知られているが、その企画自体は『エクソシスト』の公開に先立って進められていたという。
 ストーリーはふたりの子供と優しい夫と暮らすジェシカが、予定外の妊娠をし、その胎児が異常と呼べるほど成長が早い上に、ジェシカ自身にも数々の怪現象が起こり、実はジェシカの中には悪魔が宿っていた、というもの。
 読者の中には気がついた方もいるだろうが、そう『ローズマリーの赤ちゃん』という同じようなテーマの映画がある。『デアボリカ』は『ローズマリーの赤ちゃん』を『エクソシスト』のテイストで制作し、パニック映画ばりの音響で臨場感を演出した作品なのだ。この音響効果はのちに『サスペリア』でも使用されたそうだ。

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涼風家シネマクラブ■サマータイムマシンブルース

監督・プロデュース/本広克行
キャスト/瑛太、上野樹里、与座嘉秋、川岡大次郎、ムロツヨシ、真木よう子、永野宗典、本多 力、ほか
2005年/日本/107分

 とある地方の大学にあるSF研究会。そこは元々カメラクラブだった部室で、現在カメラクラブの女の子ふたりは廃部の危機にさらされながら、暗室で活動を続けている。そしてSF研のメンバーをモデルにして作品を撮影することも…。 そんな夏のある日、とんでもない事件が起こってしまうのだ!
 本作品は、劇団「ヨーロッパ企画」が元々舞台で演じていたもの。それを見た本広監督が気に入り、作者である上田誠に映画用の脚本を依頼、制作が始まったということだ。
 そういわれてみると部室を中心にしたストーリー展開など、舞台劇的な雰囲気である。監督は舞台の面白さをなるべく再現したかったようだから、その意味では成功しているだろう。
「タイムマシン」という小道具(大道具か?)を使っているため物語の構成はちょっと複雑である。最初のシーンで起こるいくつかの不思議なことが、じょじょに明かされていくということになるのだが、その中にはラストシーンにつながる部分も含まれている。

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涼風家シネマクラブ■チンパオ

監督/田中新一
キャスト/田村高廣、岩崎ひろみ、金山一彦、大浦龍宇一、徐可心、禹天姿、根岸季衣、ほか
1999年/日本・中国合作/94分

 日中平和友好条約締結20周年を記念して企画された映画である。戦後60年の今あらためて見てほしい作品だ。
 物語は戦時中の中国大陸と、戦後50年が経った熊本が舞台である。戦争中の体験を胸に秘めたまま、故郷の熊本で暮らしてきた相澤(田村高廣)は、忘れられない出来事と、それに深く関わった堀軍曹(金山一彦)の思い出を辿るために、中国・桂林へと旅立つ。
 日本が中国に対して行った戦争という凄惨な行為と、兵士としてその場にいた者が戦後数十年間背負い続けてきた罪の意識がこの映画では描かれる。「戦争」が悪いのであって、ひとりの兵士でしかない主人公が罪を負う必要はないと相澤の孫娘(岩崎ひろみ)は言うが、その戦争をしていたのは自分たち兵士だと答える相澤。そして相澤が戦場で体験した、中国人の幼い兄妹とのエピソードが語られていく…。

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2011年12月26日 (月)

涼風家シネマクラブ■1980(イチキューハチマル)

監督・ケラリーノ・サンドロヴィッチ
キャスト/ともさかりえ、蒼井 優、犬山イヌコ、及川光博、田口トモロヲ、ほか。

 80年代に対する再評価がじょじょに高まっている。今回取り上げる映画『1980(イチキューハチマル)』もそんな80年を舞台にした作品。1980年12月9日、ジョン・レノンが殺された翌朝から大晦日までの、ある三姉妹を描いた映画なのである。
 監督はその80年代に「ナゴム・レコード」というインディーズレーベルの先駆け的なメーカーで「筋肉少女帯」や「たま」といったバンドのプロデュースをし自らも「有頂天」というパンクバンドで活動していたKERAことケラリーノ・サンドロヴィッチ。これが監督第一作となる。ケラは「有頂天」以後も「劇団健康」や現在の「ナイロン100℃」の作・演出家でもあるので、満を持しての映画進出といったところ。

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2011年12月23日 (金)

涼風家シネマクラブ■気まぐれな唇

監督/ホン・サンス
キャスト/キム・サンギョン、チュ・サンミ、イェ・ジウゥン、ほか。
韓国。

 この映画の内容を簡単にいってしまうと、駆け出しのあまり売れていない俳優が、先輩を訪ねて旅に出た先で出会った女たちと行きずりの恋をするということになるのだが、これだけでは面白いのかつまらないのかわからないと思う。正直なところ「見たい」とは思わないかもしれない。そこでタイトルである『気まぐれな唇』である。そう、主人公が出会う女たちはそれぞれに主人公に対し好意的な言葉を囁き、あるいは愛しているとまで言う。しかし、である。出会いはすぐに別れを迎え、女たちは去っていく。
 女心がわかっていない男が主人公だというのもあるだろうが、行きずりなんだから、という冷めた男でもある。それでいて学生時代に知り合っていた女性と偶然再会したときには、自分が燃え上がってしまう。相手は結婚しているというのに、だ。
 監督は韓国の日常的なようすを笑い飛ばすように描いた、と言っているが、その撮影も即興的で初めから練り込まれたシナリオではなくアドリブ的な要素が多かったようだ。それがリアルな韓国の日常を描き出すことに効果を上げている、のかどうかは韓国の日常を知らないものには何とも言えないが。

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2011年12月21日 (水)

涼風家シネマクラブ■ヴァンダの部屋

監督/ペドロ・コスタ、
キャスト/ヴァンダ・ドゥアルテ、ジータ・ドゥアルテほか。
ポルトガル=ドイツ=フランス

「廃墟」が流行っているようだ。個人的には15年くらい前の流行で、いまさらという感は否めない。ペドロ・コスタ監督の『ヴァンダの部屋』も、もしかしたらそういう「廃墟ブーム」に当て込んだ公開なのかもしれない。
 舞台はリスボン。しかし画面に登場するのは「フォンタイーニャス」という街の、それもある部分を切り取った1部だけで、大半は主人公であるヴァンダの部屋の中である。アフリカからの移民が多く住む荒廃した街は、人々が暮らしているにもかかわらず、半ば廃墟と化している。いや、廃墟に人が住んでいるというべきか…。街は再開発が進められ、いま暮らしている部屋のとなりで、重機が建物を壊しているといった殺伐とした状況である。そんな中で、主人公を初め、多くの住民がドラッグに溺れている。
 この映画には起承転結などのストーリーはない。ドキュメンタリーでありフィクションであり、そのどちらでもない。ヴァンダは昼でも暗い部屋の中でドラッグを吸い、陰鬱な空気が映画全体に漂っている。焦燥と絶望に満ちた人々が暮らす明日のない街。取り立ててドラマティックな展開があるわけでもなく、またヴァンダが暗い部屋でクスリを吸う…という繰り返し。それでも画面から目を離すことができないのはなぜだろうか。

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2011年12月19日 (月)

涼風家シネマクラブ■ニュータウン物語

監督/本田孝義

 岡山県にある山陽団地。ここが監督の本田孝義が育った街である。大学進学と共に東京に出て以来ほとんど帰ることのなかったその場所に、監督はカメラを携えて戻ってきた。
 高度成長期にあって「ニュータウン」は希望の街として注目を浴びていた。それがいつしか批判の対象となり、現在では高齢化が進む深刻な状態だ。
「ニュータウン」育ちの監督が、「ニュータウン」とはなんだったのかを問う、というと大上段に構えすぎだろうか。しかし結果はどうであれ、当初の興味はそのことだったようだ。そして旧友たちに再会しながら当時の「ニュータウン」のイメージを探ることから始めていく。
 そう、これはドキュメンタリーなのである。監督はこの作品の前にも『科学者として』というドキュメンタリーを制作する一方、美術館で作品を発表するなどしている映像作家。
 作品中、監督自身が「自分の影を探しているのかもしれない」と独白しているように、映画は「ニュータウン」の姿を描きながらも監督自身の生い立ちをなぞっていく。

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2011年12月16日 (金)

涼風家シネマクラブ■イオセリアーニに乾杯

オタール・イオセリアーニ映画祭

『素敵な歌と船はゆく』『月曜日に乾杯!』の監督、オタール・イオセリアーニの特集上映が、この初夏始まる(注・04年、雑誌掲載当時)。
 今回公開されるのは初監督作品の『四月』に『歌うつぐみがおりました』『蝶採り』『群盗、第7章』の劇場初公開4作品と『素敵な歌と船はゆく』『月曜日に乾杯!』の大ヒット2作。
 イオセリアーニ作品というのは日本ではほとんど知られていなかったのだが、カンヌやベルリン、ヴェネチアといった映画祭では数々の賞をとっており、ヨーロッパを中心に世界的に高い評価を受けているという。あいにく海外に知り合いもいないし、海外における映画事情に詳しい友人もいないのでハッキリしたことはわからないが、作品を観た印象としては日本よりはヨーロッパでウケるというのはうなずける。

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2011年12月14日 (水)

涼風家シネマクラブ■新・O嬢の物語

監督/フィル・レイルネス
キャスト/ダニエル・シアーディ、ニール・ディクソン、マックス・パリッシュミッシェル・ルーベン、ほか

『O嬢の物語』といえばなかば伝説と化したフランスのポルノ小説であり『エマニエル夫人』の監督が映画化したことでも知られている。
 ポルノとはいってもその内容はSMをテーマにしており、サディズム、マゾヒズムそれぞれの官能を主人公Oが体験していく物語である。
 今回、21世紀版の『新・O嬢の物語』では、舞台をアメリカ、ロサンジェルスに移し、主人公Oも、写真家として自立した女性である。しかし経済的な理由から、作品集出版の費用を援助しようというスティーブン卿の申し出を受け入れ、官能の契約を交わすのだ。彼女はアブノーマルなセックスの数々を経験しながら自分の中に眠っていた性への興味に目覚めていく…。そして拘束されてムチで打たれたり、恋人の目の前でほかの男に犯されるなど、通常では体験できない数々のプレイを受け入れていくのだ。

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2011年12月12日 (月)

涼風家シネマクラブ■愛なくして

監督/高林陽一
キャスト/藤沢 薫、木元としひろ、遠藤久仁子、栗塚 旭、浜崎麿吉、ほか

「魂のシネアスト」と呼ばれる高林陽一監督の特集上映で、16年ぶりの新作長編『愛なくして』が公開される。
 といいながら、高林監督に関してまったく予備知識があるわけではない。ないのだが、過去の作品をたどってみると、『蔵の中』『雪華葬刺し』など、個人的に好きな映画が含まれていることを知り驚いた(それ以前に監督名くらいチェックしておけって感じですか)。
 いったんは映画界からの引退も考えての沈黙だった16年の間を置いて制作された『愛なくして』は、妻を亡くしその先の人生に張り合いをなくした老人を中心にストーリーが進行する。知り合いの医者に安楽死を頼み込み、妻との思い出の場所を辿る老人。また夫に先立たれ、生前には感じることもなかった夫への思いを、その死の直前から実感し、立ち直ることができない未亡人。若くして不治の病を宣告される青年。中年男性の自殺を目撃してしまう若いカップル…。登場する人物達は、いつか来る死ではなく、いま目の前にある死と向き合う。

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2011年12月 9日 (金)

涼風家シネマクラブ■僕は天使ぢゃないよ

脚本・監督・音楽/あがた森魚
キャスト/あがた森魚、大瀧詠一、横尾忠則、桃井かおり、緑 魔子、ほか
DVD発売/ジェイ・ヴィ・ディー

 あがた森魚というミュージシャンのことはご存じだろうか。「赤色エレジー」という曲でデビューし、それが大ヒットしたフォーク系のシンガーソングライターだ。「赤色エレジー」は、林 静一という作家が「ガロ」という雑誌に連載したマンガのイメージソングともいうべきもので、音楽のつぎにあがたが試みたのは「赤色エレジー」の映画化だった。それがこの『僕は天使ぢゃないよ』なのである。
 制作は70年代初頭で、クレジットには74年の作品となっている。また劇場公開が91年で、およそ15年にわたって自主上映がつづけられていた作品なのだ。
 90年前後にはレコードがCDになり、古い音源が次々に復刻されていた時期とも重なり、あがた森魚のアルバムもCDとして復刻されていた。じつは彼の音楽自体もこのころ聞くようになった。当時は「雷蔵」というバンドで活動していて、これもなかなかいい感じであった。

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2011年12月 7日 (水)

涼風家シネマクラブ■オーバードライブ

脚本/筒井武文
キャスト/柏原収史、鈴木蘭々、杏さゆり、賀集利樹、ミッキーカーチス、ほか

 鈴木蘭々演じる女性ボーカル、美湖の人気ユニット「ゼロデシベル」の新曲発表会でギタリストの弦(柏原)はクビを宣告されてしまう。その原因には美湖と弦との恋愛のもつれがあった。記者会見のあと、泥酔した弦はタクシーに乗り込み「下北」と行き先をつげて昏睡。気がついたときには下北半島まで連れて来られてしまっていた。というのもタクシーを運転していた五十嵐五郎(ミッキーカーチス)は、自分の三味線の弟子にしようと目についた人物を次々に拉致してくる常習犯。過去には世界的なチェリストやロックギタリストも五郎の魔手に堕ちていたらしい。
 東京に帰る金もなく、強引に五郎の弟子にされ三味線の修行をさせられる弦だが、五郎の孫娘に一目惚れして積極的に三味線の練習をはじめるのだった。

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2011年12月 5日 (月)

涼風家シネマクラブ■ハッスル!

監督/アンドレス・ヴォイスブルス
キャスト/アントネーリャ・リオス、ネストル・カンティリャーナ、フアン・パブロ・ミランダ、アニータ・アルバラード、ほか。

 チリ映画界のタランティーノとも言われるヴォイスブルス監督の意欲作『ハッスル!』がいよいよ公開される。とはいえ日本においてはあのアニータが映画デビューした作品ということの方が興味を引くかもしれない。もう何か月も前にワイドショーなどでアニータの出演シーンを観たという人も多いだろう。しかしそれだけでこの映画を評価されてしまうとしたら、それは不幸なことだ。
 物語は母を亡くした兄弟シルビオ(カンティリャーナ)とビクトル(パブロ・ミランダ)がサンチアゴに出てきてなんとか暮らしていく中で、兄は弟をきちんと学校に通わせようと、裏社会の仕事をしながらも金を稼ごうと努力する。また弟の誕生日には、男にしてやろうとナイトクラブに連れて行き、アニータ演じる娼婦に、筆下ろしを頼んだりする。ちなみにアニータの出演シーンは、ここだけ。もっともこのシーンは映画の構成上2度登場するのだが、アニータは大きなオッパイを惜しげもなく見せながら17歳の少年を誘惑するが、結局弟はアニータではその気になれず男にはなれないという顛末(日本人にとってはさもありなん、と苦笑いのシーンだろうか)。またそのクラブでセクシーなダンスを踊るグラシア(リオス)に一目惚れし、少年らしい強引とも言えるアタックを開始する。しかしグラシアはクラブのオーナーで裏社会の実力者・パスカルの女であり、彼女は自分の野望のために兄とも関係を持ってしまう。

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