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2019年3月

2019年3月17日 (日)

電子書籍■うちの本棚: 川崎のぼる

うちの本棚: 川崎のぼる

・内容紹介
「おたくま経済新聞」連載のマンガ作品・単行本紹介コラム『うちの本棚』掲載の記事から、「川崎のぼる」を紹介したものをまとめました。朝日ソノラマ「サンコミックス」や秋田書店「サンデーコミックス」など、初期作品を中心に取り上げています。

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電子書籍■うちの本棚:板橋しゅうほう

うちの本棚:板橋しゅうほう・1

・内容紹介
「おたくま経済新聞」に連載された漫画単行本紹介コラム『うちの本棚』から、板橋しゅうほうの単行本を集めた一冊。
 第一巻には『ペイルココーン』『アイ・シティ』『セブンブリッジ』など初期作品を収録しました。
 単行本表紙画像もお楽しみください。


うちの本棚:板橋しゅうほう・2

・内容紹介
「おたくま経済新聞」に連載された漫画単行本紹介コラム『うちの本棚』から、板橋しゅうほうの単行本を集めた一冊。
 第二巻には『DIVID』『シルベスター』『SLICK STAR』など中期の作品を収録しました。
 単行本表紙画像もお楽しみください。

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電子書籍■うちの本棚:倉多江美

うちの本棚:倉多江美・1

・内容紹介
「おたくま経済新聞」に連載した『うちの本棚』から、倉多江美の単行本を紹介したものを集めました。
第一巻には『ジョジョの詩』『ぼさつ日記』など小学館フラワーコミックスを中心に収録しています。

うちの本棚:倉多江美・2

・内容紹介
「おたくま経済新聞」連載のマンガ単行本紹介コラム『うちの本棚』から、倉多江美の作品を紹介したものを集めた第2巻。
『エスの解放』や『一万十秒物語』など白泉社、朝日ソノラマなどから刊行された単行本を主に収録しています。

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電子書籍■うちの本棚: 河あきら

うちの本棚: 河あきら

・内容紹介
「おたくま経済新聞」連載のマンガ作品・単行本紹介コラム『うちの本棚』掲載の記事から、「河あきら」の作品を集めた一冊です。
マーガレット時代の作品7タイトルを紹介しています。またマーガレットコミックスの表紙画像も収録しました。

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電子書籍■うちの本棚:竹宮恵子

うちの本棚:竹宮恵子・1

・内容紹介
「おたくま経済新聞」連載のマンガ紹介コラム『うちの本棚』から、竹宮恵子の単行本を取り上げたものを集めた第1巻。
朝日ソノラマ「サンコミックス」、小学館「フラワーコミックス」、白泉社「花とゆめコミックス」から刊行されたものを収録しました。


うちの本棚:竹宮恵子・2

・内容紹介
「おたくま経済新聞」連載のマンガ紹介コラム『うちの本棚』から、竹宮恵子の単行本を取り上げた記事を集めた第2巻。
小学館版作品集のほか『竹宮恵子の世界』というファンブックを表紙画像と共に紹介しています。

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電子書籍■うちの本棚: 文月今日子

うちの本棚: 文月今日子

・内容紹介
「おたくま経済新聞」連載のマンガ作品・単行本紹介コラム『うちの本棚』掲載の記事から、「文月今日子」の作品を集めた一冊です。
講談社フレンドコミックスから刊行された6タイトルを紹介しています。また単行本表紙画像も収録しています。

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電子書籍■うちの本棚:一条ゆかり・1

うちの本棚:一条ゆかり・1

・内容紹介
「おたくま経済新聞」連載のマンガ単行本紹介コラム『うちの本棚』から、一条ゆかり作品を集めました。
 第一巻には『わらってクィーンベル』や『こいきな奴ら』など、りほんマスコットコミックスから5タイトルを収録しています。

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電子書籍■うちの本棚: 田渕由美子

うちの本棚: 田渕由美子

・内容紹介
「おたくま経済新聞」連載のマンガ作品・単行本紹介コラム『うちの本棚』掲載の記事から、「田渕由美子」の作品を集めた一冊です。
りぼんマスコットコミックスから刊行された6タイトルを紹介しています。また表紙画像も収録しています。

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電子書籍■うちの本棚: 樹村みのり

うちの本棚: 樹村みのり

・内容紹介
「おたくま経済新聞」連載のマンガ作品・単行本紹介コラム『うちの本棚』掲載の記事から、「樹村みのり」の単行本を集めた一冊です。
70年代から80年代にかけての樹村みのりの単行本9冊を紹介しています。各単行本の表紙画像も収録しました。

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2019年3月16日 (土)

電子書籍■霧の少女 連作ショートショート 少女/結城 涼

霧の少女 連作ショートショート 少女/結城 涼

・内容紹介
少女をテーマにしたショートショートのシリーズ作品です。
幻想文学を標榜しています。
1~3話は合本版も販売中です。
※本文より
 年に1、2回。いや数年に、だろうか、東京でも濃霧といえるような霧に包まれることがある。深夜、そんな霧の中にぼうっと霞む街路灯の光は幻想的な美しさでボクを魅了する。めったにないことだから、コンビニに買い物にでもと自分にいい訳をして、たいして急ぐこともない買い物に霧の中を出掛けたりもする。霧のひんやりとした感触、それでいて少し蒸っとしたような空気が好きだ。そう、その夜もそんな霧が街を包んでいた。
 コンビニまではまっすぐ歩けばほんの2、3分の距離だが、わざわざ遠回りをして公園の中を抜けていく。霧が街灯の光を反射して周辺がぼうっと白く霞んで見える。タクシーがスピードをゆるめて走っていく。ヘッドライトが霧の中に溶けている。
 静かだ。深夜でも車の断えない東京だが、雪の夜やこんな霧の夜には森と静まり返り…その静けさが新鮮に思える。
 全身がしっとりと湿ってくる。この感触もなんともいえない。
 公園の木々が霧の中にその輪郭をぼやけさせ溶け込んでいる。ベンチが、ブランコなどの遊具が幻のように見える。そんな中、いくつかあるベンチのひとつに人が腰掛けているような影が見えた。こちらの進んでいく方向にあるベンチなのでそのまま近づいていくと、霧の中にその人影が女性であることがわかった。
 ベンチに腰掛けている、といっても普通に座っていたわけではない。横向きに、両足をベンチの上に乗せて膝を抱えるようにして座っている。
 深夜に、しかもこんな霧の中で公園のベンチにひとりで座っているというのはどういうことだろう。家出をしていくところがないという雰囲気にも見えなかった。もしかするとボクのように、この霧に誘われて家を出てきたのかもしれない。

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電子書籍■雪の日の少女 連作ショートショート 少女/結城 涼

雪の日の少女 連作ショートショート 少女/結城 涼

・内容紹介
少女をテーマにしたショートショートのシリーズ作品です。
幻想文学を標榜しています。
1~3話は合本版も販売中です。
※本文より
 その日、夜明け前から降り始めた雪で街は白の絵の具で塗りつぶしたように見えた。東京でもこんなに雪が降ることがあるんだ、と驚くというより感心するような、そんな気分だった。
 自宅でデザインの仕事をしている関係で平日の昼間でも時間は自由に使える。こんな風景は滅多に見られるものではない、とわたしはデジタル一眼レフを手に散歩に出ることにした。午後になると雪も小やみになり傘の必要もなかった。
 さすがに表通りは車の通りもあって雪は片づけられていたが、近所の遊歩道は人の足跡もなく、東京とは思えないような風景が撮れた。
 雪の積もったベンチや木々は、普段見なれていないこともあって幻想的な風景に思える。
 そしてそんな風景にカメラを向けているとき、ファインダーの中にあの少女を見たのだった。
 あれ、と思ってカメラから目を離し、少女が居た方向を見てみたが、まったくそんな人影はない。木の影にでも隠れたかと一瞬思ったが、遊歩道に沿って建つ住宅が並んでいるそんな場所に植えられた木の影に入って遊んでいるような子供は普段からいないし、ましてや今日は雪でどこからが歩道だかわからないような状況だ。よく考えてみればそのあたりに人の足跡も見えない。
 なにかを見間違えたか、とまたカメラを目に当ててその方向に向けてみると、また少女の姿がファインダーの中にあった。

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電子書籍■雨に濡れた少女 連作ショートショート 少女/結城 涼

雨に濡れた少女 連作ショートショート 少女/結城 涼

・内容紹介
少女をテーマにしたショートショートのシリーズ作品です。
幻想文学を標榜しています。
1~3話は合本版も販売中です。
※本文より
 台風がいってしまうと、それまでの残暑が嘘のように肌寒いほどの気温になった。その上この2、3日は雨が続き気分が滅入る。
 その日もデザイン学校の課題をどうするか考えながらボクは駅へと傘を前にちょっと傾けて歩いていた。雨は強くなったり弱くなったり、短い時間にその勢いを変えていた。
 週明けが締め切りの課題はアクリル絵の具を使ったイラストで、なにを描くかは自由だったのだが、それだけになにを描くか決められないまま時間だけがすぎてしまっていた。とりあえず、と昨夜はパネルにケント紙を水張りしてみたのだが、真っ白な画面を見つめていても具体的なイメージは浮かんでこないまま眠ってしまった。
 ぼんやりと、女性というモチーフは固めているのだけれど、それをどう描くかが浮かんでこない。少しでもイメージが固められないものかと、駅に向かう道を少し遠回りして近くの公園の中を通ってみることにした。
 公園の入り口に差しかかるとまた雨が激しくなってきた。
 その激しさはこれまでのものとは違って、まるで夕立のような感じで傘を持つ手にも叩きつける雨粒を感じる。ボクはそのまま公園を通りすぎるのをやめて公園内の東家で雨の勢いが弱まるのを待つことにした。
 時間は午前10時半を回ったころで、普段ならお年寄りや子供を連れた若いお母さんといった人たちを見かけもするが、この雨では自分のほかには人影はない。と思っているとその雨の中を小走りに自分と同じように東家に入ってきた少女がいた。もっとも傘もささず雨の中を走ってきたようだ。

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電子書籍■眠れる少女 連作ショートショート:少女/結城 涼

眠れる少女 連作ショートショート:少女/結城 涼

・内容紹介
連作ショートショートのシリーズで少女をテーマにした作品です。
幻想文学を標榜しています。
1~3話は合本版も販売中です。
※本文より
 夜、寝る前に一杯の酒を飲むのがわたしの楽しみだ。いわゆる寝酒、ナイトキャップとかいうやつだ。もともと酒が強い方ではないから、ビールだったら350ミリリットルひと缶で十分。500ミリリットルでは多すぎるというところだ。量は飲まない、いや飲めないとはいえ酒は好きなのでいろいろな種類のものを飲んでいる。最近ではモルトウィスキーが好みだ。そんなわけでその夜もロックグラスに、店で飲んだらダブルほどの量を注いで、冷凍庫から氷を出してグラスに3、4コ入れたのだった。
 そのグラスを持ってベッドに行き、ベッドサイドのスタンドの明かりで本を読みながらチビチビと酒を飲む。30分もすると眠くなって、そのまま寝るというのがいつものことだった。しかしその夜はちょっと違っていた。ベッドに腰掛け、本を膝の上に乗せ、まずはひと口、とグラスを手にしたときに、グラスの中にチラリと黒い陰が目に入ったのだ。最初はなにかゴミが入ったかと思い、じっとみてみると、どうも氷の中にその陰はあるらしい。冷凍庫に製氷機を入れる前にゴミが混じったか、と思ったのだが、よくよくみているとその黒い陰はどうも何かの形をしている。酒と氷で像がゆがんで見えるだけかとも思ったのだが、グラスの上から、横から角度を変えていろいろ見てみても、それはひとの形に見えるのだ。

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電子書籍■掌編小説 凍った星空/結城 涼

掌編小説 凍った星空/結城 涼

・内容紹介
掌編小説。短編小説。純文学。
※本文より
 星明りが冷たく凍って夜空に貼りついていた。
 頭の真上に、半分の月があった。
 こんな冬の空を、もうずっと昔にも見上げていたような気がする。

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電子書籍■掌編小説 冬の最初の日/結城 涼

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掌編小説 冬の最初の日/結城 涼

・内容紹介
掌編小説。短編小説。純文学。
※本文より
 少し前から胃のあたりがチクチク痛むとは思っていた。前の夜食べすぎたとか、飲みすぎたとかいった程度のことだと思い込むようにしていたのかもしれない。しかし、ついに宣告はやって来た。

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電子書籍■凍える街 連作ショートショート 雪/結城 涼

凍える街 連作ショートショート 雪/結城 涼

・内容紹介
雪をテーマにした連作ショートショートの一篇。バンドのためのオリジナル曲『冬紀元』を元に小説化したものです。
※本文より
 見上げるとどんよりとした雲が空を覆っていた。いまにも雨が降りだしてきそうな感じがする。
 街路樹はみな葉を落として、裸になった枝が冬の寒さを際立たせている。
 別に何か目的があったわけではないのだが、週末の午後、フラリとこの街に足が向いてしまった。ついこのあいだまでは週末ごとにあいつと歩いたこの街に。
 すれ違う人たち。雑踏の中に身を置くだけでも少しは気持ちが紛れるような気がしていたのだけれど、心の中を占めるあいつの面影は、その大きさを変えてはくれない。
 意識はしていないのに、いや無意識に歩いているからこそ、ふたりでよく歩いた道を、ふたりでよく入った店の前に、足が向いてしまう。それに気づくたびにチクリと心が痛む。
 そんな心境を煽るように木枯らしが吹き抜けていく。

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電子書籍■降り積もる雪のように 連作ショートショート 雪/結城 涼

降り積もる雪のように 連作ショートショート 雪/結城 涼

・内容紹介
雪をテーマにした連作ショートショートの一篇。短編SF小説でもあります。
※本文より
 地球から射手座方向に二十三万五千光年、地球の太陽と同じG型恒星を主星とする第四惑星「アクアマリン」。その名前は地球のように碧く輝いていたことからつけられ、人類の移住・植民の可能な惑星の中でも第一番に数えられる。
 最初に発見された時、それは全くの偶然だった。
 理論上その開発が確実であった時空間跳躍装置がようやく完成し、それを積んだ三隻目のシャトルの実験航行中、単純な操作ミスからシャトルはまったく見知らぬ宇宙空間に放り出された。乗務員はそこに、太陽と良く似た恒星を発見したが、コンピュータが示していたのは太陽系から二十三万五千光年を隔てた宇宙であった。
 シャトルの報告を受け、また、時空間跳躍装置の本格実用の時代が訪れ、宇宙植民、宇宙移住がクローズアップされたことで、太陽と良く似た恒星は一挙に注目されることになった。

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電子書籍■目覚まし時計 連作ショートショート時計/結城 涼

目覚まし時計 連作ショートショート時計/結城 涼

・内容紹介
時計をテーマにした連作ショートショートの一篇。
※本文より
 あと数時間で今年も終わる。
 テレビではアナウンサーがまた同じことを言っている。あと6時間、あと5時間、うんざりするが今日はそういう日だ。
 大晦日の夜はひとりで過ごすことにしてから何年経っただろう。カウントダウンパーティーのようなにぎやかな場所ではなく、自室でゆっくり一年を振り返りつつ新しい年を迎えるのが恒例となってしまった。
 そういえばここ数年は同じように過ごしてもなにか落ち着かない気分も感じていた。
 というのも、年末に帰省してくる友人と毎年年も押し迫った29日、30日といった日程で会うのが、これも恒例となっていたのだが、一昨年あたりから相手の都合で会えなくなり、今年はどうだろうと連絡を待っているうちにその日が来てしまい、大晦日になってしまうという感じで気持ちの整理がつかないせいかもしれない。

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電子書籍■懐中時計 連作ショートショート 時計/結城 涼

懐中時計 連作ショートショート 時計/結城 涼

・内容紹介
時計をテーマにした連作ショートショートの一篇。
※本文より
 その時計をいつ、どこで手に入れたのか、いまではすっかり忘れてしまって思い出すことができない。
 中学、高校のころには腕時計がカッコよく思えて、外出するときにはかならず付けていたものだが、20歳のころにはそんな気分でもなくなり、自宅の机のうえにほったらかしにしてしまった。
 一度習慣でなくなると、たまに付ける腕時計がやけに重く感じられ、ますます付けなくなっていった。そんなこともあって、しばらく経ってから持ち歩くようになったのが、懐中時計だった。

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電子書籍■夢のような日々/結城 涼

夢のような日々/結城 涼

・内容紹介
記憶と時間が入り交じる…そんなSFのようなことも、じつは現実に人の頭の中でおこっている…。
※本文より
 *** Ⅰ
 
「おはようございます。ご気分いかがですか?」
 いつものように彼が朝の挨拶をする。わたしは軽く頷いてそれに応えた。
「まだ朝は冷えますから、窓を閉めて着替えましょう」
 彼はそう言ってわたしの手を取った。わたしは彼に従い、部屋の中央に行き、着替える。
 今日は気分がよかったので、目が覚めるとパジャマのまま窓辺に立って外を眺めていたのだけれど、小鳥のさえずりに誘われるように窓を開けて、外の空気を胸に深く吸い込んでいたのだった。たしかに彼の言う通り、もう春とはいえ今日は少し空気が冷たかったが、それもまた気持ちのいいものだった。
「風邪を引いてしまったら大変ですからね。暖かくしていましょう」
 そういいながら彼はわたしに上着を着せ掛ける。
「そうね」
 わたしは短くそれだけ言って上着に腕を通した。
「すぐに朝食ですよ。食堂に行きましょう」
 また彼がわたしの腕を取って言った。
「今朝はあまり食欲がないわ」
 わたしがそう言って動こうとしないと、彼は腕に少し力を入れてさらに言う。
「ちゃんと食べないと体によくないですよ。さ、行きましょう」
 わたしは否応なく彼に従うしかない。食欲があるとかないとか、それは問題ではないからだ。朝食の時間には朝食を摂らなければならない。それがここの決まりになっている。
 そんなことが毎日のように繰り返されている。それでもわたしはここでの生活にはおおむね満足していた。それは毎朝顔を見せる彼がいるからなのかもしれない。

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電子書籍■甘き香りの憂鬱/結城 涼

甘き香りの憂鬱/結城 涼

・内容紹介
掌編小説『胎児の夢』のリメイク作品です。
※本文より
 傾き始めた午後の柔らかい陽光が、白濁した半透明のフード越しに、狭い中庭を照らしていた。いや、中庭というより、吹き抜けのロビーといった方がわかりやすいかもしれない。都会の中心地にあるホテルでは、効率を重視してか、高い建物の中央は吹き抜けになっており、そこをロビーとして、中庭として、外来者も自由に出入りできるパブリックスペースとして活用している。その中央には小さな池と噴水があり、正面の入口から入ってくれば、その奥にベンチと緑が配置されているのに気がつくだろう。緑は置かれたスペースにぎっしりと生い茂り、見た目にも溢れ出しそうな勢いがある。けれど都会の真ん中にあってその存在は何かほっとさせるものがあり、近くに働くOL達が昼休みに集まってくるのもわかるような気がする。
 今はそのOL達もそれぞれの職場に戻り、池を囲むように配されたベンチに腰掛けているのは私のような宿泊者か時間を潰しているらしいセールスマン、学生のカップルくらいのものだ。もちろんフロントなどは出入りの業者や従業員たちがせわしなく行き交っている。そんな環境の中にあってさえも、この池と植物たちは全く違う世界として独立してしまう、なにか不思議な磁場のようなものに包まれてでもいるように、そこにいる者すらも異邦人のような意識をもたせてしまう。
 小さな噴水が控え目に水を吹き上げている、その水音が気持ちを落ち着かせ、水の匂いが郷愁を呼び起こす。ベンチの背に迫った緑が香る。なんて不思議なことだろう。この人工の街の中で、巨大なコンクリートの中心の人工的な自然が、私の身体を自然に還えす力を有しているなんて。
 私は読み掛けの本から目をはなし、ふと背後の植物群を振り返ってみた。そこにはいつ開いたのか、青い大きな花が、甘い香りを漂わせ始めていた。

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電子書籍■胎児の夢 Kindle版/結城 涼

胎児の夢                                                                                                                                      Kindle版/結城 涼

・内容紹介
佐井好子の楽曲『胎児の夢』からイメージした短い幻想小説です。

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電子書籍■狂宴/結城 涼

狂宴/結城 涼

・内容紹介
※本文より
「そっちのあんたは何してた人なの」日に焼けた顔にシワが目立ち始めた、五十がらみの男が、ボクの方を向いて言った。焚き火を囲んだ五、六人の男たちの中で、ボクの話す番が回ってきたわけだったが、ボクは彼らの話を半分も聞いていなかったし、何を聞かれたのかも、その意味が分からず、思わず問い返していた。
「えっ、何がです」
「何がって。--ヤだなあ、聞いてなかったの。ここに来る前、どんなことしてたのかって話だよ」
「ああ、ああ、ボクはセールスマンです」
「へえ、じゃキツかったろうね」ボクより二、三才年上に見える男が眼鏡越しに言った。
 辺りは真っ暗と言ってよく、焚き火の炎だけが点々と見えている。ここと同じ様なグループがこの周辺に集まっているのだ。近くには小さな湖もあり、キャンプ地としても有名な場所だった。
「もう三日目ですか。出発はいつになりますかねえ」グループの中で一番年配の男が薄くなった頭をなでながら呟くように言ったが、彼の問いに答えるものはなかった。
 近くのグループから大きな笑い声が響いてくる。他のグループでは宴会よろしく手拍子に唄なども聞こえてくる。きっと酒があるのだろう。また、女だけのグループ、男女混合のグループもあるようだったが、今のボクには年令もバラバラな男ばかりのこのグループが妙に心安まるのだった。

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電子書籍■美神の泉/漆黒の異邦人/結城あや

美神の泉/漆黒の異邦人/結城あや

・内容紹介
いわゆるひとつの異世界ファンタジーライトノベル。

・本文より
***** Preface

「都市と田園の相違も現在よりもずっと目立っていたし、同様に光と闇、静寂と騒音の対照もはっきりしていた。近代の都市は真の闇、全き静寂というものを知らない。闇に浮かぶたったひとつの小さな灯、遠くかすかに呼ぶ人の声がどんな印象を与えたか、知るよしもない」とヨハン・ホイジンガはその著書『中世の秋』に書いている。この物語の舞台もホイジンガが表現した時代に似ていると思っていい。
 ムンドゥス王国は5つの大陸にあるいくつかの国の中でももっとも大きく歴史の古い国だ。現在は女王によって統治されていて、その女王の信任の厚い騎士団の団長はフォルティという女性の騎士だった。5大陸にもその名は知られていたが、単に勇猛果敢な戦士として伝わり、男性騎士と信じている者もあった。
 この物語の主人公である少女アヤは、邪教の魔導師によって魔族の生贄にされかけたとき、フォルティに助け出され、記憶の大半を失っていたことからフォルティに引き取られることとなり、剣士として修行することになった。
 まだまだ騎士団を率いるほどの力はないものの、フォルティが認める若い女戦士として成長していた。アヤ自身、フォルティを目標として日々鍛練を積んでいた。
 しかし、アヤの身には魔族の魂がすでに入り込んでいて、左手の甲のウロボロスの紋章によって封印されている。アヤがその力を解放するとき、彼女は「漆黒の異邦人」と呼ばれる。
 そして今回アヤは、騎士団を離れ傭兵団と共に危険な任務を任されることになった。

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電子書籍■ローズ: アロマキャンドルの妖精/結城あや

ローズ: アロマキャンドルの妖精/結城あや

・内容紹介
アロマキャンドルに火を灯すと現れた妖精ローズ。可愛らしい外見と裏腹な言動に振り回される主人公。そんな二人の週末のお話です。
※本文より
 と、そのときでした。ふと何かの気配を感じてキャンドルの方に目を向けてみると、炎のちょっと上の方に10センチくらいのぼうっとした白い影が浮かんでいるのです。
 影は煙のようにふわふわ漂うように炎の上にありました。じっと見ているとだんだん輪郭がはっきりしてきて、妖精のような女の子の姿が見えてきたんです。
 わたしは思わず、フッとキャンドルを消してしまいました。
 するとその影も炎といっしょにフッと見えなくなってしまいました。
 なんだったんだろう。
 キャンドルの明かりだけにしていたバスルームは、窓の外から入る街灯や近くのビルの看板などのぼんやりとした光だけで、ますます不気味な雰囲気になってしまいました。お湯に浸かっているのに背筋が一瞬ゾッと冷たくなるのを感じました。
 けれど、まさかキャンドルの炎から妖精があらわれるわけはないと思い、もう一度キャンドルに火を灯してみました。
 暗いバスルームに目が慣れてしまったせいか、キャンドルの明かりだけでもずいぶん明るく感じます。
 息をするのもためらいながらしばらくキャンドルを見ていましたが、さっきのように何かが現れるということはなく、やはり気のせいだったんだと思い、わたしはまたゆっくりと入浴を楽しむ気持ちになっていました。
 バスタブの中で体の力を抜き、目を閉じて、キャンドルの香りを吸い込みながらリラックスした気持ちになっていると、突然女性の声がしたんです。
「ちょっと、さっきのはなんなのよ」
 びっくりして目を開けると、キャンドルの炎の上に、また妖精が浮かんでいました。

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電子書籍■ANOTER REALITY: 仮想空間Second Lifeから/結城あ

ANOTER REALITY: 仮想空間Second Lifeから/結城あや

・内容紹介
仮想空間Second Lifeをテーマにした作品です。
二部構成になっており、第一部はSecond Lifeをご存じない方のための入門(説明)的な内容になっています。
第二部ではSecond Lifeにログインしてくる人々やその世界を主人公が考察していくといったものになっています。
とくにアバターに対するユーザーの思い入れや、ネットやSecond Lifeへの依存に関して考察しています。
400字詰め原稿用紙201枚。

※本文より
「SLにしても、2007年の日本語版スタートの時点であれだけ爆発的にユーザーが増えたものの、残っている人が半分以下っていうことを考えると、本質的にこの世界を楽しく感じる人の割合がそれほど多くないということなのかもしれないしね^^;」
「それはあるかもですね。もっとも2007年当時は広告代理店の戦略で、SLでビジネスができるって触れ込みがあってユーザーがなだれ込んできたっていうのもあったけど」
 真奈美さんが言うように日本語版スタート時点では仮想空間を楽しむことより、仮想空間をビジネスに利用しようというユーザーも多かった。もちろんそれ自体は間違ってはいないのだけれど、誰もが気軽にSLにログインしてくることを前提としていたビジネスモデルが間違っていたといえるだろう。逆に言えば家庭向けPCの性能が上がった今こそ、当時やろうとしていたことが実現できるのかもしれない。
 とはいえ、いまさらSLでそれをしようという企業ももうないのだろうし、多くの人がSLにログインしてくるという状況ではもややない。
「ボクみたいに何年もブランクがあっても問題ないゲームなんてあんまりないと思うんだけどなあw」
 りょうさんが自嘲気味に言った。
「そうですよね^^」
 そうわたしは答えたが、SLをゲームと称することには抵抗もある。ゲーム性のない世界であることはもちろんだけれど、「ゲーム」と言うことでSLの印象に誤解を与える気がするからだ。ビジネスとしてSLを利用しようとして失敗したのと同様、ゲームと勘違いしてはじめたものの、楽しみ方がわからずに去っていったユーザーも少なくないと思っている。
「でも、SLってゲームとは違いますよね^^ なんていうか、文字通り第二の人生みたいな感じで^^」
 すずさんだ。
「確かにそうだけどね。まあゲームで言うなら生活系っていうのかな。そういうジャンルだろうね」
 りょうさんが答える。
「生活系といえば、たしかにそうですね^^」今度は真奈美さんだ。「でも、あやさんもそうでしょうけど、わたしはコミュニケーションツールと思ってますよ^^」
「うん、コミュニケーションツールというのはわたしもそう。アバターがあるからゲームという印象が強いのは仕方ないと思うけど、わたし個人は現実の延長線上なんだよね。SLって」
「それはわたしもそうですね」
「うん、わかります」
 真奈美さん、すずさんがほぼ同時に言った。
「ここはネット上の仮想空間だし、アバターもただのデータでしかないわけだけど、いまこうしてみんなと話していること自体はまぎれもない現実なわけで、LINEやSKYPEと同じだよね。そこにアバターが存在しているということだけで、現実味のない世界と切り捨てるのは違うんじゃないかと思う」
「なるほど」りょうさんはそう言ってから続けた。「そう言われてみればたしかにその通りだね。アバターがあるからこそのSLだと思うけど、それが逆にリアリティを拒絶する結果を招いているような気がする」
「なるほどです」
 すずさんだ。
「SLの外から見るとそれもひとつの見方になるんだろうね。でも、アバターナルシズムのようにSLユーザーにとってはもうひとつの現実のように感じられる重要な要素にもなってるからね。矛盾した要素を併せ持っているなんて、現実の人間みたいで面白いと思わない?w」
「あやさん得意の考察ですね^^」
 真奈美さんが言う。
「なるほど。って納得させられちゃうからなあ、あやさんのそういう意見w」
「ですね^^」
 りょうさんの言葉にすずさんが同意する。
 いずれにしろ、アバターを操る現実の人間がいるからこそのことであり、アバターという器に自我という魂を入れることで成り立つ考察でもある。
 けっきょくわたしにとって仮想空間Second Lifeというものは、現実世界と地続きの、日常生活の延長線上だというのが結論になるのかもしれない。

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電子書籍■Second Life小説■Over Sexual/結城あや

Second Life小説■Over Sexual/結城あや

・内容紹介
 LGBTという言葉が一般に知られるようになったのはここ一、二年の間でしょうか。
 レズビアンやゲイ、シーメール(ニューハーフ)という言葉やそういった嗜好を持つ人々のことはそれ以前から知られていたとは思いますが、社会の、そういった性的マイノリティの人々を受け入れる余地や思想は熟していなかったのも事実なのでしょう。
 LGBTという言葉が広く知られていく過程で、社会の中に性的マイノリティの人々が存在しているということ、彼ら・彼女らもまた同じ社会を構成する人々のひとりであるという認識も広まってきたという気はします。
 一方でそういった社会の変化の中にあっても現実世界では自分の性的嗜好や性自認を周囲には明かせないという人たちもいて、そういった人たちの中にはネットの世界、ゲームの世界などで現実とは違う異性の自分を作り上げてささやかな満足を得ている場合もあります。
 いわるゆネカマやネナベということではなく、現実世界では実現のできない性別越境をネットの世界で叶えているわけです。
 この小説は仮想空間Second Lifeという世界で現実ではできない性別越境を叶えた主人公を描くことで、仮想空間の有益さについて考えたものです。
※本文より
 インターネット上の仮想空間「Second Life」にアカウントを作ってから何年になるだろう…。
 日本語版がリリースされたのが2007年の7月で、直後に始めたから、もう…。
 いつのまにか何年もこの世界にログインしているけれど、自分でもよく続けてきたものだと感心してしまう。ほぼ毎日ログインしているのだからなおさらだ。
「Second Life」、ユーザーは略してSLと呼んでいるけれど、この世界の中でわたしはエリカという女性だ。
 ゆるくウェーブのかかったプラチナブロンドのロングヘア、少し大きいかもしれないバスト、どちらも現実の自分にはないものだ。季節や気分で服を着替え、ダンスをしたり、チャットで話したりする。マイクを使えば音声チャットも可能ではあるけれど、あくまでも女性として過ごしたいわたしはボイスチャットは使わない。そう、現実世界のわたしはまぎれもなく男性なのだから。
 できることなら現実世界でも女性として生きてみたい。その願望は確かにある。とはいえそれは女性になって男性と恋愛したいというのとは違う。女性になりたいというのと、男性と恋愛したいというのはまた別の問題のような気がする。
 普通は理想の女性を他人に求め、理想の女性と出会いたいと思うのだろうが、わたしの場合、その理想の女性に自分がなりたいのだ。男からも女からも注目されるような女性に。これは、やはり自分のメンタリティが男性だからなのかもしれない。

Oversexualkindle

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2019年3月15日 (金)

電子書籍■Second Life小説・仮想空間の水平線に日が落ちる風景が美しいということ…/結城あや

Second Life小説・仮想空間の水平線に日が落ちる風景が美しいということ…/結城あや

・内容紹介
仮想空間Second Lifeを舞台にした私小説風作品です。
アバターを介して仮想空間で生きるということについて考察した作品ということもできるでしょう。
中編小説『孤高と唯一無二』の続編にあたります。

※本文より
「わたしはSL依存症です(^^;)」
 真奈美さんが即座にそう言った。
 さっきわたしがアジェさんに言いかけたもうひとつのこと。それは真奈美さんがSL依存だと言う根拠でもあった。
「真奈美さんなんかは特にそうだと思うのだけど、SLに依存する理由にはアバターの存在というのがあると、わたしは思うのよね」
「それは大きいと思います(^^)」
「アジェさんは以前、現実の自分とアバターの自分はどちらも同じ自分だと言ってたけど、その感覚とはちょっと違って、アバターに自分を投影するとか、現実よりもアバターの方が本来の自分を出せると感じてるユーザーもいて、その感覚がSL依存につながっていくんじゃないかと思う」
「なるほど」
「わたしも、SLの中ではわたしがわたしでいられる、というのがあって、依存してるなと思ってます」
 アバターを着飾っている、と言ったが、それは単にアバターが身につける服や装飾品ということではなく、シェイプの編集、オンラインゲームで言うところのキャラクターメイキングにも気を入れているという意味だ。真奈美さんにとってアバターは理想の自分であり、こうありたいという存在ということだ。
「アバターを通してSLの世界に接しているという感覚があるので、SL依存は根が深いのではないかと思いますね(^^;)」
 真奈美さんが言った。

Secondlife

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電子書籍■海沿いの店で…: 仮想空間Second Life小説集/結城あや

海沿いの店で…: 仮想空間Second Life小説集/結城あや

・内容紹介
仮想空間Second Lifeを舞台にした短い小説集です。
とあるカフェバーのシリーズ『海沿いの店で…』『夕焼けが空を染めている…』『ジャズが流れるステージで…』に書き下ろし作品『満月の下で…』を加え、未発表の『仮想世界に降る雪』と『Over Sexuals』を収録しました。
Second Lifeの世界を案内する内容にもなっていますので、Second Lifeを知りたいという方もぜひお読みください。

Secondlifekindle

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電子書籍■仮想空間Second Life エッセイ&コラム(2009~2010)/結城あや

仮想空間Second Life エッセイ&コラム(2009~2010)/結城あや

・内容紹介
 ここに収録した文章は、主に2009年~2010年に、仮想空間Second Life内の「CLUB ARCADIA」の公式ブログに掲載したものです(このブログはすでに削除されていて読むことはできません)。Second Lifeユーザーを前提として書いていますので、Second Lifeをプレイしたことのない人にはわかりづらい記述もあるかと思います。
 2017年の現在、情報としては古くなっているものもありますし、未来予想として外れてしまった記述もありますが、ほぼ掲載当時のまま収録しています。当時のSecond Lifeの状況の記録として読んでいただければと思います。
 中にはその後の変化などについて注釈の必要な記事もありましたので、それぞれの記事の最後に「※」として追記したものもあります。
 またアバターに対するナルシズムやコミュニケーションツールとしてのSLという視点の記事は、現在でも考察しているテーマでもあり、わたしのSLに関する考察の原点になるのではないかと思います。
 2016~2017年に撮影したSS(スナップショット)も多数収録しました。

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電子書籍■仮想空間Second Life エッセイ&コラム(2017)/結城あや

仮想空間Second Life エッセイ&コラム(2017)/結城あや

・内容紹介
 本書に収録した文章は、仮想空間Second Lifeについて2017年にネット上のサイトやブログに発表したものです。
 2017年は仮想空間Second Lifeの日本語版がリリースされて10年という節目にあたり、10年の経過を振り返る文章なども書かせていただきました。
 また2017年最新の話題に触れたコラムもブログに発表しており、Second Lifeに興味を持っていただけたら、以前Second Lifeをやっていて、また始めてみようかと思っていただけたら幸いです。
 なお、収録にあたり一部のテキストについて若干加筆修正しました。
 仮想空間Second Life、日本語版の10年、アバターナルシズム序論、結城の雑談シリーズ、ほか。

・本文より
■仮想空間「Second Life」日本語版の10年
 2007年7月、アメリカ、リンデン・ラボ社が開発・運営する仮想空間「Second Life」の日本語版がリリースされました。
 当時雑誌やテレビでも取り上げられ話題となったのを覚えている方もいるでしょうし、実際にアカウントを取得して「Second Life」を体験した方も多いでしょう。
 実際その当時は日本人ユーザーの人口爆発と言えるほど大挙して「Second Life」に人が集まりました。
 その状況は半年ほどで減速し、2008年前半には「過疎ってる」と言われるようになったのを御存知の方もいるでしょう。
 実際「Second Life」を始めてみたという方でも、その中で何をしていいのかわからなかったという方もいるでしょうし、外国人中心のその世界で日本人に会えなくて辞めてしまったという方もいると思います。
 とネガティブな面から始めてしまいましたけど、わたし自身は2007年8月からおよそ10年、「Second Life」を続けています(笑)。
「Second Life」という仮想空間自体は2003年にスタートしました。最初はアメリカ、そしてヨーロッパ、中南米とサービスが広がり2007年の日本語版となります。3Dアバターを使った自由な空間というネットの情報から日本語版がリリースされる以前に始めたユーザーもいます。また2007年7月の日本語版リリース時には現実のビジネスと同じように仮想空間で仕事ができ、お金が稼げるという触れ込みもありましたから、単にネット上の「ゲームのようなモノ」という以上に興味を持たれたということはあったように思います。
 とはいえそれから10年。すでにネット上でもユーザー以外には「Second Life」について取り上げることもなくなり、その存在自体を知らない人も多いのではないかと思います。
 まずは「Second Life」がどのような世界なのか、そのあたりからお話ししていきましょう。

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電子書籍■仮想空間Second Life再入門/結城あや

仮想空間Second Life再入門/結城あや

・内容紹介
本書は仮想空間「Second Life」について2018年時点でのアカウント取得、基本操作などについて解説したものです。
これからSecond Lifeを始めようという方はもちろん、以前やったことがあるけれどブランクがあるという方にも読んでいただければと思います。
また「2007年当時のSecond Lifeしか知らない」という方も、進化したSecond Lifeについて知ることができると思います。

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