ちょっと社会派

2019年6月14日 (金)

ちょっと社会派■芸能人の妊娠報道に批判

上戸彩の第二子妊娠、盗撮に「本人が公表するまで待って」の批判多数
wezzy / 2019年6月13日 18時0分

 EXILEのHIROと上戸彩夫妻が今月11日夜、第二子を授かったことを公表した。出産予定は来月だという。公表の直前、「NEWSポストセブン」は上戸彩の第二子妊娠を報じていた。傘を差して歩く上戸の姿を捉えた写真を掲載し、ふっくらしたお腹でローヒールブーツを履いた上戸が芸能人御用達の産婦人科に入っていったと伝えたのだ。

 しかしこの報道は、HIRO・上戸夫妻にとって決して本意ではなかったようだ。夫妻の連名コメントには、<本来なら、出産後にご報告したかったのですが、一部週刊誌からの問合せがありましたので、突然のご報告となりました>との一文がある。

 芸能人とはいえ、「妊娠」という極めてプライベートかつデリケートな個人情報を嗅ぎまわられて報道されては迷惑極まりないだろう。今回に限らず、当事者が公表する前にの妊娠や妊娠“疑惑”を報じる、いわゆるフライング報道は後を絶たない。

 たとえば昨年は前田敦子・勝地涼が結婚を発表したが、それから程なくして「女性自身」(光文社)が前田のお腹がぽっこりしているとして「デキ婚」「妊娠説」をおおっぴらに書き立てていた。

 佐々木希も昨年、スポーツ紙が妊娠を報じた直後に妊娠を公表しているが、佐々木にとっても妊娠報道は不本意だったようだ。以下の文章を自身のインスタグラムに綴っている。

<本来ならば、タイミングをみて、ファンの皆様へ私から報告したいと思っておりましたが、報道が先に出てしまった為、このような順番になりました事をお許しください>

 2016年に第一子を出産した堀北真希に至っては安定期に入る前に妊娠が報じられ、波紋を呼んだ。今年、第二子も誕生したが、夫の山本耕史が「週刊誌が『妊娠している』と記事にしたときには、もう産まれてましたよ」と明かしている。

 V6森田剛と結婚した宮沢りえも、自ら発信してもいないのに、何度も「妊活に励んでいるようだ」と週刊誌に報じられた。嵐の二宮和也と交際中だとされる伊藤綾子もまた、「妊活のため婦人科に通っているらしい」と報じられたことがある。


 「妊娠」は一般的におめでたい話題だが、同時にかなりデリケートな話題だ。妊娠したからといって必ず無事に生まれるとは限らず、流産や死産の可能性はゼロではない。

 妊娠中は仕事や生活に制約が生じ、また体調不良やトラブルの懸念もあるため、仕事関係者や周囲に妊娠を報告しないわけにはいかないが、今回のHIRO・上戸夫妻のように、公への報告は無事に出産を終えてから、と考える芸能人もいるだろう。

 プライバシーの観点からも、著名人の妊娠や出産、妊活や不妊治療を安易に暴き、ネタとして消費していい話題ではない。マスメディアは、当事者の公表を待つべきではないのか。
 
 一方、マスコミは「世間が食い付くネタ」として妊娠報道をしているが、本当に読者はこの情報を欲しているのだろうか。先の「NEWSポストセブン」の記事が配信されたYahoo!ニュースのコメント欄をはじめ、ネット上では報道への批判的なコメントが目立つ。 

<きちんと本人が報告するまで記事にしなくてもいいのでは?>
<おめでたいことだけど、正式に発表するまで静かに待ってもいいと思う。無事に出産してから発表したいとか意向もあるだろうし。もう少し妊婦さんに配慮してもいいと思う>
<50人に1人。死産って知っていますか?上戸さんが、どうとかではなく、そのくらい妊婦さんとはナイーブなんです。無事に産まれて終わりでもないです。人の家庭を興味本位で報道するのはやめてほしいです>
<あまり公にしたくないご事情とかもあるかもしれないのに。。>

 不祥事でもなんでもなく、個人のプライバシーに過ぎないことを一方的に暴くような報道は、誰も望んでいないのかもしれない。

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2019年6月11日 (火)

ちょっと社会派■育児休暇からみる男女平等

夫の会社が妻の会社の育児支援にタダ乗り??カネカショックで露呈した現実 治部 れんげ 2019/06/11 10:45 育休復帰直後の男性に転勤を命じたのはパタハラか ?? 。 夫側が育休明けすぐに転勤を命じられたとしてこれは「見せしめではないか」と批判を浴びていたカネカは、6月6日に会社ホームページで公式見解を発表し、対応に問題は無いとした。 筆者は15年以上、共働き家庭を取材してきた。カネカの事例は仕事と家庭を巡る日本の常識を変えるきっかけになると思い、注目している。 特に大きな変化を感じたのは、当事者であるご夫婦とメディア・世論である。また、こうした社会規範の変化についていけていない企業の実状が浮かび上がったところも興味深い。 今回、多くのメディアや性別を問わず有識者が会社に対して批判を寄せたのは、法的な観点からではない。男性も自らの選択に沿って家庭参加できることが望ましい、という価値観が共有されつつある中で、新しい社会規範を理解しない会社のありようが時代遅れとみなされたからである。 この点、適法性に焦点を絞ってホームページで理解を求めた会社とは認識のずれが生じている。 「もう帰るの?」と上司から嫌味 ところで、パタハラは今に始まった話ではない。以下は私が取材した事例だ。 ある大手銀行の元男性社員は、産後の体調がすぐれなかった妻をサポートし家事育児をするため残業せずに帰宅していたところ、その状況を知っていた上司からねぎらいの言葉をかけられるどころか、あからさまに「もう帰るの?」と嫌味を言われたそうだ。 予定されていた海外赴任が立ち消えになったこともあり、この男性は同業の外資企業へ移った。転職先は厳しい成果主義である一方、家族の必要があれば早く帰るのは当たり前という文化があり、非常に働きやすいと話していた。 ちなみにこの男性の上司はワーキングマザーだった。 他の業種でも育休を取った男性が「帰ったら君の席はないと思った方がいい」と言われた事例など、数えきれないほどパタハラの事例を聞いている。 男性が育休を取得しない理由としては「言い出しにくい」とよく耳にする。実際に起きているパタハラ事例を知れば、理解できる。 支援制度整っている会社で偏る負担感 しかし、恐れを理由に男性が家庭責任を果たすことを控えていては、現状は変わらない。 女性活躍推進法が施行されて3年が経ち、女性を管理職に登用する企業は増えている。中途採用市場では、役員候補になりうる管理職経験のある女性を探している、とよく聞く。 企業の女性に対する見方は変わってきたように思えるが、変わらないのは、男性労働者の働き方と、その働き方を家庭内で支える存在として女性を想定していることだ。 同じような学歴と職歴を持つ夫婦を見ていると、出産後に女性が仕事をペースダウンしたり、最終的には辞めたりするのは、まだまだ当たり前の風景だ。 妻の職場が大企業であれば育児支援制度が充実しているせいで、育休や時短をフル活用し、平日の家事育児全般をこなす。結果、子どもを持って働く女性が増えるほど、その職場では独身や子どものいない既婚者の負担が増える構図が生まれる。 「家事育児は女性」という価値観変えるべき 行きついた先が2015年に話題になった「資生堂ショック」だ。女性活躍が進み、子育てしながら働く女性が増えた資生堂で、美容部員の働き方が問題になった事例である。 家族形態の違いによる働き方の違いが不公平感を生むようになり、会社は子どものいる女性社員も、できる人は夜間や休日のシフトに入ってほしい、とアナウンスした。 これが「ショック」と呼ばれたのは、子どものいる女性社員に対する同情ゆえだろう。 私は会社のアナウンスは合理的だと思った。「女性を夜働かせるのは可哀想」という発想の根本にある「育児家事は女性がやるのが当たり前」という価値観こそ、変える必要があるからだ。 ワーキングマザーのワンオペ育児が社会全体にもたらす構造を俯瞰して見ると、この時の資生堂の対応はむしろ、日本社会全体で考えるべき大きな問題提起であった。 女性雇用の会社の制度にフリーライド 想像してみてほしい。 ある女性Aさんが育児支援制度を目一杯使い、家事育児をひとりで引き受けているさまを、ミクロな視点で見れば「大変だね」「頑張っているね」ということになる。少し引いた目線で見ると、夫であるBさんは平日の家事育児を妻に任せられるから、子どもができる前と同じように働ける。 時間を気にせず働ける夫Bさんは、時短で働く同僚女性Cさんの仕事を肩代わりしているかもしれない。そしてCさんは、Aさんと同じく家事育児をワンオペで担っているだろう。それができるのは、Cさんの仕事をBさんが引き受けてくれるからだ。そしてCさんの夫Dさんは、家事育児を妻に任せられるから、長時間働いている。そして、Dさんの職場には……。 こうした連鎖が企業を超えて続いているのが、今の日本だ。これを企業単位で見れば、女性を多く雇用している企業の育児支援制度に、男性を多く雇用している企業がフリーライドしていることになる。 転勤3週間前通告は働く妻が想定外 家庭内の性別役割分業、つまり妻が夫のキャリアを優先しサポートすることを前提とした人事マネジメントは、今も根強く残っている。 だから、今回のカネカを見ても、そもそも育休の“見せしめ”かどうか以前に、3週間前の通告で転居を伴う転勤を彼に伝えることができるのだ。彼の配偶者が働いているかもしれないことは、基本的には考えない。子どもの転校や転園に伴う手続きのコスト、精神的なケアにかかる負担は「誰か」がやってくれる暗黙の前提がそこにある。その誰かは一部の例外を除けば女性である。 この前提を打ち破らない限り、企業内だけで完結する女性活躍施策の効果は限定的だろう。日本の企業には、カネカの事例を他人事と思わずに自社内で起きていることを知ってほしい。 そのため、最後にお伝えしたいケースがある。 家庭内の男女平等を求める人事 15年ほど前、筆者が20~30代を対象とするビジネス誌の記者をしていた頃「女性が働きやすい会社は男性も働きやすい(と私たちは思う)」と題した特集を担当した時のことだ。多くの企業にアンケートを行い、女性管理職比率や育児支援制度、男性育休取得者の数を調べた。 特集の中では男性育休取得者と人事担当者に取材し、好事例として掲載した。ここで取り上げた大手電機メーカーには、すでに何人も男性育休取得者がいた。第一子の時は妻が育休を取得、第二子の時は夫が育休を取得した夫婦の夫側に話を聞いた。この夫婦は社内結婚であり、妻はSEとして働いていた。 人事担当者は男性育休を明確に肯定していた。「女性だけに家事育児の負担がいくと、女性のキャリア形成にマイナスになる」ことが理由だ。 SEや営業職など女性も活躍していたこの企業では、女性が育児を理由に仕事を辞めたり、マミートラックにはまったりすることは企業にとっても得策でない、という意識が根づいていた。女性にも人材育成の投資をしている企業にとって、家庭内の男女平等を求めることが合理的なのである。 印象に残ったのは、この人事担当者は「ワークライフバランスは子育て層だけのものではない。子どもが大きくなった中高年男性こそ、私生活のために休みを取ってほしい」と話していたことだ。 今、読み返しても先進性を感じる発想である。 今回、カネカの対応を批判したメディアや世論は、15年前、私が先進事例として紹介した企業や夫婦の価値観に近づいている。 企業の実状は、まだら模様だ。変化に気づき変えようとしているところと、いまだに古い価値観に引きずられているところが混じっている。 各企業人事部の方には、カネカの事例を他人事と思わず、自社の制度と実態の乖離について調査することを強くお勧めしたい。変化に対応できない企業は若い労働者から見放されてしまうだろうから。 治部れんげ:ジャーナリスト。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。1997年一橋大学法学部卒業後、日経BP社入社。その間、2006~07年ミシガン大学フルブライト客員研究員としてアメリカの共働き子育て先進事例を調査。2014年からフリーに。国内外の共働き子育て事情や女性の働き方に関する政策について調査、執筆、講演などを行う。

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ちょっと社会派■性感染症の現在

コンドームだけじゃダメ!? 性感染症の検査を勧める理由
オールアバウト / 2019年6月10日 21時50分

性感染症の検査経験がある女性の割合はまだ低い
ある日のこと。「性感染症の検査って、受けた方がいいのかな?」と同い年の友人に相談されました。彼女はひどい月経痛に悩まされ、大学1年生の頃からずっと低用量ピルを内服していました。低用量ピルによって避妊ができると考え、それ以外の避妊はせずにいたそうです。

私は婦人科を受診して性感染症検査を希望すれば、すぐに検査を受けられることを伝えましたが、そもそも婦人科を受診したことがないため、行くこと自体が煩わしい気持ちもあり、また、受診を考えるにしても仕事も忙しくなかなか診療時間内の受診が難しいと言います。

そこで私は、ネットで性感染症の検査キットを注文し、自分で検体を取って郵送すれば、匿名で検査結果をすぐに知ることもできるという方法を伝えました。友人は、自宅で簡単に検査ができるなんて知らなかったと、とても驚いていました。

実際に性感染症の検査経験のある女性の割合はどのくらいなのでしょうか。私がクリニックで緊急避妊薬を処方した女性33名に、性感染症の検査経験の有無を聞いてみたところ、検査経験があったのはわずか9名でした。

中には、そもそも性感染症についてよく理解されていない方や、性感染症検査の存在を知らない方もいました。まずは性感染症とはどのようなもので、どのようなリスクがあるのか、予防のために女性がすべきこと、できることについて、しっかり理解を深めていただければと思います。

性感染とは……性交渉で感染。不妊症の原因になることも
性感染症とは、一言でいえば「性交渉によって感染する疾患」です。30種以上に及ぶ細菌・ウイルス・寄生虫が性交渉で媒介されて感染します。一般的に「性病」と呼ばれることが多いようですが、法改正により「性感染症」という名称に変更されたという歴史があります。

細菌が原因で起こる「クラミジア」「淋菌」「梅毒」、寄生虫が原因で起こる「膣トリコモナス」、ウイルスが原因で起こる「ヒトパピローマウイルス」「単純ヘルペスウイルス」「ヒト免疫不全ウイルス」「B型肝炎」の8つが、主な性感染症だといわれています。

性感染症のリスクは感染時のかゆみや痛み、不快感のみだけではありません。長期的なリスクとして知られているのは、不妊の原因の一つになりうることです。卵管や子宮頸管、さらには骨盤内に炎症が引き起こされることで、精子や卵子の通り道を塞いでしまうことがあります。

性感染症の一つであるクラミジア感染症が、不妊症の原因の2割を占めていると推定している研究者もいます。少し話が逸れますが、肥満も排卵障害を引き起こすために、不妊の原因となることが知られています。

シェフィールド大学のビル教授は、不妊の原因である性感染症や肥満の増加を受け、「将来は3組に1組のカップルが自然妊娠できなくなるだろう」と推測しているほどです。

アメリカでも性感染症患者数が過去最多に
米疾病予防管理センター(CDC)の報告によると、2016年に全米で確認されたクラミジア・淋病・梅毒の性感染症患者は過去最多の200万人を超えました。いずれの疾患も急増しているようです。

その中で、最も多かったのはクラミジア感染症の約160万人。次いで淋菌感染症の約47万人、梅毒の約2万7800人でした。特に、2000年から2011年まで人口10万人あたり約250~450人で推移していたクラミジア感染症は、2015年からの2年間で人口10万人あたり約500人にまで急増しています。

これらの性感染症は、経口薬を内服することで治療することができます。

例えば、クラミジア感染症の場合、アジスロマイシン(商品名ジスロマック)1g(500mgを2錠)を1回内服し、淋菌感染症の場合、セフトリアキソン(商品名ロセフィン)1.0gを静脈注射にて投与し、アジスロマイシン(商品名ジスロマック)1g(500mgを2錠)を1回内服します。

ここで大切なのは、パートナーとともに経口薬を内服し、治療することです。どちらか一方のみの治療では、性交渉をすることにより相手に感染させてしまい、完治させることはできません。

実際、感染していることをパートナーに打ち明けることができず、感染を繰り返してしまうケースは後を絶たないのです。

日本の性感染症患者数も増加傾向……特に深刻な梅毒の拡大
そして日本も性感染症の患者数が増加傾向にあり、アメリカの状況は決して他人事ではありません。米国と同様、日本において最も患者数が多いのはクラミジア感染症で約2万5000人。次いで性器ヘルペスウイルス感染症が約9300人、淋菌感染症が約8100人と続きます。

注目すべきは、梅毒が急増していることです。厚生労働省の性感染症報告数によると、平成15年には509件だった梅毒の報告数は、平成27年には2690件になり、翌年の平成28年には4559件まで増加しています。特に、妊娠可能な15歳から24歳までの若年女性が増加傾向にあるというのです。

しかし、これらは氷山の一角に過ぎません。というのも、これら性感染症は初期症状を自覚しにくいため、病院を受診すらしていないケースが多いと考えられるからです。実際のクラミジア感染者は、届け出されている数の約5倍以上であると推定されています。

性感染症増加の背景に安易な出会い・性交渉を挙げる研究者も
性感染症が増加している原因は何なのでしょうか? まずは「ピルを飲んでいるから大丈夫」「コンドームをつけていれば感染しない」といった誤った知識により、正しい感染予防がされていないこともあるでしょう。

その他にも、日本国内においては学校による性教育の課題や、性交渉年齢の低年齢化など、様々な要因が挙げられると思いますが、近年の出会い系アプリの普及なども原因の一つとして挙げる研究者もいます。

前述したCDCのHIV/エイズ・ウイルス性肝炎・性感染症と結核予防センター所長であるジョナサン・マーミン博士は、実際に固有名称も挙げながら「『Tinder』のような出会い系アプリは、性感染症の原因かもしれません。地方の保健省のいくつかは、出会い系アプリと性感染症の増加に関連があると信じています。ただ、現時点では、原因と効果について完全には明らかではありません」とニューヨークタイムズ紙にコメントしています。

もちろん出会い系アプリの存在や利用率は、性感染症の拡大の原因のごく一部に過ぎないかもしれません。しかし、いずれにしても男女ともに性交渉を目的としたような安易な出会いや、無防備な性交渉がハイリスクであることは間違いありません。

2018年5月には、SNSとして最大規模であるフェイスブックが年内に「出会い」機能を追加することも発表しています。性行為の持つリスクについても正しい知識を持って、自分たちでできる方法で適切な予防・対策をしていくことが大切です。
(文:山本 佳奈(内科医))

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けっこう深刻なことになっていると思われますが、学校における性教育と同様に隠された状態であることが状況を悪くしているように感じます。

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2018年4月23日 (月)

ちょっと社会派■中学校の性教育に都教委が問題視

「高校生になればOK?」足立区立中、授業前にアンケート 都教委は問題視「助長の可能性」

 東京都足立区立中学校で行われた性教育の内容が都議会で「不適切」だと指摘された件で、授業前に実施したアンケートで「2人が合意すれば、高校生になればセックスをしてもよい」と思うかや、正しいと思う避妊方法などを問う項目が含まれていたことが22日、分かった。「性交」や「避妊」は中学の学習指導要領で扱っておらず、都教育委員会は「かえって性交を助長する可能性がある」と問題視している。

         ◇

 足立区教委によると、性教育は3月、区立中3年の総合的な学習の時間に人権教育の一環として行われた。全国的に10代の妊娠が増加していることをふまえ、「自分や相手を大切にし、無責任な性交を避けるべきだと教える目的」だったという。

 授業に先立ちアンケートを行い、「合意すれば、高校生になればセックスをしてもよい」と思うかなどの意識を調査。また、避妊方法として「コンドームをつける」「膣外射精をする」「安全日を選ぶ」などが正しいと思うかをきいた。

 授業では「高校生の性交は許されるか」「もし妊娠したら」などについて生徒が議論した上で、養護教諭らが避妊や人工妊娠中絶に関する正しい知識について説明。配布資料では、妊娠を避けるには「性交渉をしないことが一番確実」とした上で、コンドームや低用量ピル、性交後に使用する「緊急避妊薬」の特徴や使い方、入手方法についても明記した。

 授業について都教委は、小中高いずれの学習指導要領でも扱わないことになっている性交を取り上げ、本来高校で扱うべき避妊や人工妊娠中絶について具体的に説明したことを問題視する。「性交をしてもよいかのような内容で、かえって性交を助長する可能性がある。発達段階が異なる生徒全員に向けた内容としては、配慮が足りない」と指摘。保護者に内容を詳細に説明して了解を得た上で、個別の指導を行うべきだとの見解を示している。

 区教委によると、アンケートでは、授業前には5割近くの生徒が「合意すれば、高校生になればセックスをしてもよい」と答えたが、授業後には半減したクラスもあったといい、「一定の成果」だとしている。その上で、「意見は真摯(しんし)に受け止め、保護者への説明などこれまで以上に丁寧に対応したい」と話した。

※産経ニュース

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 確かにこの中学では踏み込んだ内容に挑戦しているとは思う。
 が、中高生の実体を考えれば都教委の「教えんなければしない」という姿勢は逆に問題があるだろうと思う。
 記事によればアンケートだけではなく、説明なども含めた「授業」だったようで、性交という点だけを取り上げて問題視するよりは、それ自体は授業以外のところで生徒たちは知っているという前提で自分の身を守る、常識的な知識、さらにいえば貞操観念といったものを教えていく方がベターなのではないかと思える。

 みなさんはどう思いますか?

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2016年7月 7日 (木)

ちょっと社会派■参議院選挙2016

行かないと損をする!? 子育て世代が選挙に行くべき理由

Woman.excite / 2016年7月7日 8時0分

    

「選挙」というと、どうも「めんどくさい」「誰がなっても変わらない」という声が毎回多数上がるように思います。
しかし、本当にそうなのでしょうか? 私たち、子育て世代が選挙に行かないことで、実はすごく損をしていると私は思うのです。

■ベビーカー優先車両が廃止になった理由
少し前、電車でベビーカー優先車両設置案が進んでいました。けれども、おもに年配の方から「私たちの時代は抱っこで頑張ったんだから、そんなものはいらない!」という声が多数あったことから廃止になったのは知っていますか?

私はこのニュースを見たとき、思わず「嘘でしょ!?」と声に出してしまいましたが、実際に今も見送りになっています。

また、「イクメン」という言葉が定着したにもかかわらず、男性の育休はなかなか上司が認めてくれない。もしくは、認めてもらっても出世が遠のく…なんていうことが実際に起きているのを、知らない、または気づいていない人も多いのではないでしょうか。

「海外はもっと進んでいるのに」「これだから日本は遅れてる…」なんて言ってしまいたくなりますが、子育てに優しい環境を望んでいるはずの私たち「子育て世代」の投票率は半数にも満たない中、年配層の投票率はとっても高いのですから、年配層を考慮した政策が通っても、それは仕方がないというものなのかもしれません。

■投票に行きもしないで文句ばかり言っている場合じゃない
最近ではイギリスのEU離脱も年配層の指示多数で決まってしまい、若者たちからは「自分たちの未来を年配層が決めてしまった」という声も噴出していました。

今の時代、未来を決める選挙の投票に行きもしないで、将来に不満を言っている場合ではないと思うのです。私たちの世代こそが選挙にいかなければ、時代を変えることはできないのですから。
 
■匿名ブログでも国は動き出す
とはいえ「誰に投票しても変わらない」と言いたくなりますよね。
実際多くの報道がスキャンダルや不祥事ばかり取り上げるので、私たちはそちらに目がいきがちです。そこで「またか…」と、うんざりしてしまうこともあるでしょう。

しかし、匿名の人が書いた、たった1つの「日本死ね」というブログだけで国が動きだしたのも事実です。

私たち世代は拡散する力を持っているし、良いニュースも悪いニュースも、報道されようとされまいと身近なスマホやSNSで簡単に知ることができるし、伝えることができます。

「いつか国が保育園を作るだろう」
「いつか子どもの学費がタダになるかもね」

ではなく、私たちが望むことを達成させようとしている人を選ぶのは、私たちに課せられた責任だと思うのです。

まもなく参院選があります。そして、東京都に住む人は、知事を決める都知事選も控えています。

まずは選挙ポスターや選挙公報を、いま一度見直すところから始めてみてはいかがでしょう。
 
(鈴奈)

http://news.infoseek.co.jp/feature/councilor2016_womanexcite_E1467702615156/

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「ウーマンエキサイト」の記事から。
 とにかく低い投票率で国民の生活が左右される重要な案件を決める人たちが国会に送られていくのは、自らの将来を捨てているようなもの。
 投票するのにふさわしい候補者がいないのであれば、白票でもいいですから投票には行きましょう。

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2015年11月 1日 (日)

ちょっと社会派■加工肉に癌リスク

加工肉のがんリスク ネット民無視

R25 / 2015年10月31日 11時43分

加工肉の発がん性を認める研究リポートを発表したWHOの専門組織IARC。赤身肉とすい臓がん、前立腺がんとの関係も指摘している

世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC)が10月26日、ソーセージやベーコンといった加工肉が大腸がんのリスクを高める可能性があると発表し、話題となっている。

IARCは、発がん性を持つ十分な根拠がある「グループ1」に加工肉を分類。これはアスベストやたばこを同じカテゴリーだが、それらと同等の強さの発がん性があるということではない。あくまでも、「発がん性が認められるだけの証拠がある」という意味であり、IARCの声明によると個人における加工肉消費での発がんリスクは低いとのこと。つまり、加工肉は“発がん性はあるが、決して高いわけではない”食材だといえそうだ。

とはいえ、ソーセージやベーコンなどの加工肉は、日常的に口にする頻度が高い食材だ。消費者にとっては心配な発表であり、ツイッターでは、

「ソーセージやベーコンに発がん性があるって。
なくなったら生きてけないww」
「はぁ。ソーセージが発がん性。凹む。
毎日食べてるし、お弁当に入ってないと凹むし。。。」

などと、ショックを受けるネットユーザーも多かった。

しかし、発がん性はあるものの、決してリスクが高いわけではないということで、

「こまけぇこたぁいいんだよ 」
「あれもだめこれもだめってうるせえよ!毎日食ってるわけじゃないし、これからも食うよ!」
「食べ過ぎを憎んで肉を憎まずwwww ソーセージを一日あたり50g食べ続けたら大腸がんのリスクが18%増加するとか。んな微妙な数字、気にしてたら何も食えんwww」
「ベーコン・ソーセージに発がん性指摘されてたけど、それを聞いても俺はシャウエッセン断ちを出来ないだろう」

と、あまり気にすることなく、今後もどんどん加工肉を食べたいという意見も多い。直ちに健康に影響が出るほどの危険性でもないということもあり、そこまで深刻にとらえられていないようだ。
(奈波くるみ)
(R25編集部)

※当記事は2015年10月30日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。

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 メーセージやベーコンなど加工肉に癌のリスクがあるというニュースはネット以外にも広く報じられていますが、日本人の消費量はリスクを気にするほどの量ではないというのが結論のようです。
 ただし、加工肉の癌リスクをあまりに過小評価した意見が多いのも気になるところ。たばこと同じカテゴリーであることを考えれば、煙草に対して異常なまでに警戒する風潮とのギャップに違和感を感じます。

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2015年2月 5日 (木)

ちょっと社会派■ISILに関して日本国内のモスクが嫌がらせを受ける

<名古屋モスク>脅迫・嫌がらせ 「後藤さん人質」で相次ぐ

 イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)による人質事件で、名古屋市中村区のイスラム礼拝所「名古屋モスク」へ脅迫や嫌がらせの電話が相次いでいる。モスクの代表役員で、パキスタン人のクレシ・アブドルワハブさん(57)は「イスラムは平和の宗教であり、過激派組織とは無関係だと知ってほしい」と訴えている。

 クレシさんによると、嫌がらせ電話は、後藤健二さんの殺害場面とされる動画がインターネットに流れた今月1日の5、6件がピークで、この時は電話線を抜いた。「日本から出て行け」「家族構成は分かっている」といった内容で、愛知県一宮市の別のモスクには「殺す」との脅迫もあった。名古屋モスクには「日本人の敵だ」と中傷するメールも送られ、警察に届け出た。

 こうした嫌がらせは、名古屋モスクが1998年7月に完成してから初めてという。2001年9月の米同時多発テロや04年にイラクで香田証生さんが過激派組織に殺害された際も無かった。今回は「過激派が『イスラム国』の名称を使っているから、イスラム教徒に矛先が向かう」と考える。今月2日には、モスクに通うパキスタン人が営業先の日本人に「来るな」と追い払われたという。

 以前から偏見は強いと感じてきた。数年前に次男が小学高学年だった時、級友に「お前、爆弾巻いてるの?」と聞かれ、クラスが笑いに包まれたが、教諭は放置したという。次男はこれを機に一時、不登校になった。クレシさんは「一気に『ヘイト(憎悪)』が向かってくるかも」と恐れている。

 クレシさんら国内10カ所以上のモスクの代表者は先月末、「イスラム国」という名称がイスラムのイメージを不当に損なっているとして、同名称を使わないよう報道機関などに求める運動を始めた。「『イスラム国』の名称を使えば、暴力的な宗教だとの偏見が助長される」と指摘する。英語の略称「ISIS(イラク・シリアのイスラム国)」や「ISIL(イラク・レバントのイスラム国)」、アラビア語の略称「ダーイシュ」などの使用を呼びかけている。

 クレシさんは、性風俗の業態名として誤用されていた「トルコぶろ」を「ソープランド」に改名する運動が80年代に成功した例を引き合いに、「名前による負のイメージは影響が大きい」と話し、使用名称の変更に期待を寄せる。同モスクでは見学を受け付けており、希望者にはイスラムについて説明したいという。
【花岡洋二】

毎日新聞社  2015年2月5日

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 こと宗教に関して日本人の知識は浅すぎるだろう。理解が浅いからこういったことが起きると思われる。
 もっともそれ以前にテロ組織と宗教団体の区別もつかない連中の低能さには呆れるが。

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2014年9月26日 (金)

ちょっと社会派■知られていない食品の安全性

ポテトチップスやフライドポテトの発ガンリスクはなぜ報道されないのか

 いきなりだが、みなさんはポテトチップスやフライドポテトに発ガンリスクがあることをご存知だろうか。断っておくが、これはたんにジャンクフードや揚げ物が体に良くない、というようなざっくりした話ではない。

 ポテトチップスやフライドポテトには有害物質が含まれているのだ。その有毒物質の名前はアクリルアミド。アクリルアミドは接着剤や塗料、紙・繊維などの仕上げ剤として工業的に使われており、人体に有害で、中枢神経麻痺を起こすことが分かっている。動物実験では発ガン性があることも確認されている。

 農林水産省のホームページによれば「アクリルアミドは遺伝子を傷付ける作用を持っていることから、例えごく微量であったとしても健康に影響を及ぼす可能性を否定できないため、この量までなら食品を通して食べても大丈夫という許容量を決めることができません」という。

 しかし、ポテトチップスやフライドポテトというのはたんにジャガイモを油で揚げただけ。いったいこのアクリルアミドはどこからやってくるのか。それは材料のジャガイモである。もっとも、加熱調理する前のジャガイモにはアクリルアミドは含まれていない。ジャガイモに含まれるアスパラギンというアミノ酸が高熱で加熱される間に、アクリルアミドに変化するのだ。ただし、炭水化物に多く含まれているアスパラギンがアクリルアミドに変化するのは、100℃よりも高い温度で加熱調理された場合だけだという。

 つまり、ポテトチップスやフライドポテトなどの油で揚げるジャガイモ料理には、発ガン性があるアクリルアミドが多く含まれていることになる。この事実を指摘している『「食べもの神話」の落とし穴』(高橋久仁子/講談社ブルーバックス)はこう指摘している。

「ポテトチップスやフライドポテトはジャガイモを油で揚げて作ります。油で揚げるという加熱方法は一八〇℃くらいの温度にしばらく置くということで、これらにはかなりの量のアクリルアミドが含まれていたのです」

 アクリルアミドが高濃度に含まれていることを最初に発表したのは2002年4月、スウェーデン食品庁。2002年6月末にはWHO(世界保健機関)が専門家会議を開催し、食品中に生成するアクリルアミドが健康に関する重要な問題になるだろうと認め、日本でも厚生労働省が2002年10月31日にポテトチップスやかりんとうなどの加工食品中に発ガン性が疑われるアクリルアミドがかなりの量で含まれていることを発表した。

「ふつうの食品をふつうに加熱調理して有毒物質が生成してしまうという事実は、正直のところショックです。ポテトチップスやフライドポテトはもう食べない、と決めるのも一つの選択ですが、たまに食べることまで怖がることもないでしょう。ただし、ポテトチップスの袋を抱えていつも食べているような人は、これをきっかけに自分の食生活を見直してください」(同書より)

 著者の高橋久仁子氏は群馬大学教育学部名誉教授。家庭科教育で食生活を研究している人物である。こうした人物が"ショック"と明かすほどのポテトチップス有害情報だが、それほど多くの人には知られていない。というのも、厚生労働省の2002年10月31日の発表を報道されることが少なかったからだ。

「ラジオやテレビはその日の夜のニュースで、一部の新聞が翌一一月一日にこのことを報じました。ニュースを見たり聞いたりした人はびっくりしてパニックが起こるのではないかと心配したのですが、報道量がその割に少なく、このニュースに気づかなかった人の方が多かったようです」(同書より)

 ポテトチップスやフライドポテトといえば、大手外食チェーンや大手食品メーカーにとって欠かせないドル箱商品。こうした企業はマスコミにとって、大スポンサー様であり、大々的な報道を控える自主規制が行われたことが容易に推測できる。

 そして、マスコミの自主規制は続いている。インターネットを検索したところ、農林水産省は2013年12月3日、食品関連事業者向けに「食品中のアクリルアミドを低減するための指針」を発表している。

 その指針は「国際的なリスク評価機関は、食品を通じて長期間にわたってアクリルアミドを取り続けることによって健康への悪影響が生じる懸念があると結論し、食品のアクリルアミド濃度を低くするための適切な努力を継続すべきであると勧告した。このことは、アクリルアミドによる消費者の健康被害の発生を未然に防ぐには、食品のアクリルアミド濃度をできるだけ低くし、食品由来の摂取量を減らすことが重要であることを示している」として、「食品関連事業者は、原料の調達から最終製品の製造・販売に至るまでの工程の必要な段階において、食品の安全性向上のための対策を適切に講じる必要がある」と呼びかけているのだ。

 しかし、こうした事実はマスコミが黙殺してしまい、多くの消費者には伝わっていないのだ。

 ある日、あなたが思いもよらないガンになる。その原因はひょっとしたら、軽い気持ちで食べていたポテトチップスやフライドポテトかもしれない。
(河内保雅)- リテラ(2014年9月25日20時00分)

元記事/http://lite-ra.com/2014/09/post-494.html

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 記事中にも指摘されている通り、報道されながら一般には周知されていないというのが実態でしょうね。身近な、そして好きな人が多いという点からも、この事実は広く知られるべきことではないかと思います。

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2014年8月 8日 (金)

ちょっと社会派■日本女性をとりまく環境2

味の素が流した、「とんでもない」性差別CM 「食事はお母さんが作る」は当たり前ではない

アベノミクスでも注目を浴びる、「女性の活用」。一見、聞こえのいいこの言葉、実は大きな問題をはらんでいるという。本連載では、そんな「男と女」にかかわるさまざまな問題を、異色の男性ジェンダー論研究者が鋭く斬る。

前回お話しした「(食事を)作るのはお母さんたちですから」という渋谷区教育長の性差別発言があったのは、PTAの食育に関する研修会でした。そもそもPTAの集まりは女性が圧倒的に多いことに加えて、平日の午前中開催、おまけにテーマが食育なので、「見渡す限り女性」になってしまうのでしょう。

でも、あの空間自体がやはり異様です。男性は給料を持って帰ってくれれば、あとはゴミ出しでもやってくれたら十分なのでしょうか?

■男性の家事貢献は合理的

私は保育所の送迎と夕食づくりが担当でした。子どもが大きくなったので、保育所通いがなくなり、少し楽になりましたが、夕食づくりの時間はいつも意識しながら働いています。もちろん飲みに行くことはときどきありますが。この連載で何度も述べてきたように、男性の家事貢献は、女性の家事負担を軽くし、女性がフルタイムで就業できるようになるため、家計としても非常に合理的なはずです。そしてそれは、最終的に男性を楽にするはずなのです。

などと思っていたら、連載を読んだ友人がとんでもないCMを教えてくれました。少し前のものですが、YouTubeの味の素KK公式チャンネルに載っていたCMです。残念ながら、7月いっぱいで公開が終わってしまいました。

CMは、あるご家庭の1日を描いています。主人公の女性は朝起きて、すぐに子どもたちの朝食とかわいいお弁当(キャラ弁)の準備をします。一方、夫と思われる男性は後ろで何もせずに、パソコンをいじっているだけ。その後、女性が洗濯物を干し、子どもを着替えさせているので、専業主婦かと思ったら、スーツ姿で3人乗りの自転車で保育所に駆け込み、あくびをしながら通勤電車に乗り、仕事をし、さらに保育所→スーパ→自宅で、父親のいない夕食を食べる。

この人、スーパーウーマンです。こんなことが毎日できると思いますか? まぁ、時短を取られているのかも知れませんねぇ。でも、仕事をしながら、朝食もお弁当(そもそも保育所ではお弁当は原則不要です)も夕食も全部作って、その片付けに洗濯もとなると、自分の時間はゼロでしょう。過労で倒れたりしないかと、心配になってしまいます。それに、そもそも、あの男性はなぜ、何もせずに後ろに座っていられるのでしょう。

「私作る人、僕食べる人」というハウス食品のラーメンのCMが問題になったのは1975年のこと。反発があって、2カ月ほどで放映中止になりました。当時小学校6年生だった私は、「なぜこのCMが問題になるかわかる?」と親に聞かれて、「料理を作るのは女性だと決めつけてるから」と答えた記憶があります。

■「お母さんが作る」は当たり前ではない

あのCMが、もうほぼ40年も前のことです。そこで今回の味の素のCMを見ると、この40年間で結局男性の家事参加は進まず、女性は仕事と家庭の両方を担当しなければいけなくなったという、いわゆる「女性の二重負担」が生じたことがわかります。

味の素のCMが特に悪質だと思うのは、(実態を検証しようのない)石器時代まで含めて、昔の光景を動画で再現しつつ、母がごはんを作るということが、世界中の歴史の中で常に普遍的だったというイメージを与えかねない点です。これでは、母親が食事づくりから逃げる道はどこにもない、と伝えていることになります。

北欧に行けば料理をする男性はたくさんいるでしょうし、最近の中国の都市部では、共働きの夫婦が子どもを連れてどちらかの実家に行き、そこでおじいちゃんが夕食を作る、というのもまったく珍しくありません。

「食事を作るのはお母さん」。CMのメッセージは、前回の記事で取り上げた渋谷区教育長の発言とまったく同じです。日本の場合、食事を作るのが歴史的に圧倒的に女性の役割であったのは事実ですが、お母さんだけが食事を作るようになるのは、大都市部で大正期、全国に広がるのが高度成長期にすぎません。

女中、娘、嫁、おばあちゃんなど、それが女性であったとしても、「お母さん」だけになったのは、実はごく最近なのです。なのに、まるで世界中で歴史的にずっと、「食事を作るのはお母さん」であったように思わせている。そしてそのことによって、それがこれからも続くと無批判に前提としています。CMのバックに流れる歌で「(食事作りは)何十万年も、何十億人ものお母さんが続けてきたこと」とだめ押しをすることで、「男性が食事を作ることを含めた、ほかの選択肢がある」ということを、完全に認めないような作りにしている点で、これは性役割分業を固定化する、極めて悪質なCMなのです。

■お客様相談室の説明は?

こんなCMを堂々と発信する食品会社の感覚が、私にはまったく理解できません。企業のトップがよくこんな差別的なものを認めるものだと、驚くばかりです。企業イメージを悪くするだけだと思うのですが。男性が家事・育児に関わるシーンをもっと入れていれば、イメージを変えることができたはずなのに。

というわけで、味の素のお客さま相談室にメールで抗議をしたのですが、

固定的な性役割分業を肯定したり、助長したりするような影響は無いように留意し、父親が子供の着替えを手伝う場面などを入れて制作しましたが、母親が主人公のストーリーのため、お客様のご指摘の通り父親を前面に出す演出にはなっておりません。

とのお答え。やっぱりこの程度の発想だからこそ、こういうCMを作れるのですね。家事・育児は「手伝う」ものではなく、共有する、シェアするものです。共働きなのに、「父親が子どもの着替えを手伝う」という意識でいること自体を「固定的な性役割分業」というのであって、まったくの無理解としか言いようがありません。呆れました。この点を指摘するメールも送ったのですが、8月6日時点で、味の素からの返答はありません。

このままでは「食事を作るのはお母さんの仕事、しんどくてもがんばりましょう」というメッセージだけを発していると受け取られてもしかたありません。「あなたは、あなたの食べたもので、できている」という台詞が最後に入りますが、私は味の素の商品を食べて、あんな固定的な性役割の世界の住人になりたくはありません。「過去にそうだったから、未来もそうなる」と言うのなら、それは人類の進歩を全否定する暴論です。

小4の息子にCMを見せたら、「なんか変!」と言っていました。「どうして?」「だって、朝ご飯はママだけど、夕食はパパだし、保育園も買い物も、パパが遅い時以外は、いっつもパパだったしぃ……」。

うちが「変わった家庭」なのはわかります。ですが、家族の形態が多様化する中で、小学生ですら感じる「変!」を無視して、こんな世界を「普遍化」するのは許されないと、私は考えます。

男性側からこのメッセージを見ると、「家事はいいから、24時間外で闘え」と言っているように聞こえます。事実、夕食時には帰宅していません。

バブル期に「24時間闘えますか?」と連呼した「リゲイン」は、最近のCMで「24時間闘うのはしんどい」と認めた上で、「3、4時間闘えますか?」とセリフを変えています。

過労死を招きかねないようなメッセージに対する批判と、時代の変化を受け止めたのでしょう。それに対して、この味の素のCMはバブルの反省どころか、40数年前の高度成長期に先祖返りです。

■「ひとりボイコット」をやります

同時に、はっきりと「男はうちの商品なんて買わなくていい」という声が聞こえてくるように思います。ええ、もちろん、こんな会社の商品、私は買いたくありません。これから夕食の買い物をするときには「ひとりボイコット」をやろうと思います。

次世代育成支援対策推進法に定められた、「くるみんマーク」というものがあります。仕事と家庭の両立に関する就業環境の基準を満たせば、厚労省がその事業所にその証拠として使用を認めるものです。男性の育休取得者がいることも条件になっていて、東京大学も取得しています。

私はいつも夕食の買い物のときにそれを意識していて、冷凍食品を含め、くるみんマークのない会社のものは買わないようにしています。たとえば「ニチレイ」は、パッケージにもマークをつけているものがあり、極力そういうものを選びます。

おっと、味の素もくるみんマークを取得していました。男性の育休取得者が2010年度に11人とホームページで誇っておいて、このCMはないと思うのですが……。

皆さんはどうでしょう? このCMで、味の素のイメージがよくなりましたか?

付記:前回の渋谷区教育長の問題発言に対する反響は、私の想像を遙かに上回るものでした。これまでの連載の中で、アクセスや「いいね!」が断トツで多く、いかに多くのみなさんが、日本のPTAのあり方や教育長の発言に疑問を感じているかを実感することができました。

渋谷区教育委員会は、前回の連載以降、一切回答をしてこなくなりました。おそらく黙っていれば、そのうち騒ぎも収まるので、それで幕引きにしたいと思っているのでしょう。男性の側が、一部の女性が持っている古い考え方を性差別として批判することは、逆よりもはるかに強いメッセージになりうると考え、引き受けねばと考えました。引き続きご支援をお願いします。

瀬地山 角せちやま かく/東京大学教授
東洋経済オンライン(2014年8月8日08時00分)
http://toyokeizai.net/articles/-/43365

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 昨日に続いて同じような内容の記事が目に留まりました。
 いまこのタイミングで相次いでこの問題が語られるのは、やはり首相の「女性の活用」が口先だけのもので根本的な問題の解決にはならないという危機感のようなものがあるのかもしれませんね。
 昨日、そして今日の記事を読んで思うのは、ひとりひとりの意識レベルでの変革が必要なのだということ。これは時間がかかることでしょうが、変えていかなければならないことでもあるでしょう。

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2014年8月 7日 (木)

ちょっと社会派■日本女性をとりまく環境

【Work Smart, Live Happy】グーグルによる日本の「働くお母さんへの応援歌」が見当違い過ぎる

「Work Smart, Live Happy」という、文字通りスマートでクールなコピーをひっさげて、グーグルが働くお母さんへの応援歌キャンペーンを始めた。

内容自体は、本当のところ、目新しいことは何もない。でもいいところは、アメリカ発想らしいすっきりしたデザインで、視覚的に説明された、とても伝わりやすいプレゼンテーションであること。働く女性の仕事と家庭にまつわるいろいろな数字を「アメリカと日本」の対比にしたり、ときおり北欧の数字を借りてきたりして、「いかに日本の働く女性の現状が欧米(というか米国)に比べて遅れているか」をストレートに印象づけている。

読み手が、日本の女性が「遅れている」印象、「社会的に虐げられている」印象をきっちり受け取ったころ、最後にあっけらかんと、

「GoogleカレンダーとかGoogle+とかをもっと活用して効率的に働けば、女性はもっと輝けますよ」。

生産効率(プロダクティビティ)の話になる。そうかー、結論は効率か。ちょっと残念だな、そして、アメリカらしいなぁ(ため息)。

「ニッポンてば無知だなー、キミたち非合理的で効率が悪いんだよ。女性の労働効率が高くなれば、古くさくて遅れてて虐げられてる日本女性も解放されるよっ☆」というのは、日本社会が「後生大事に抱え込んでしまっている」根深いところをすっ飛ばした、アメリカ的発想らしい無邪気な飛躍だ。

なぜ、日本の女性がグーグルを活用してまで効率よく生活を回し、自分の労働効率をアップさせねばならないのか。それは、「ひとり」だからだ。

「よき母、よき妻、よき女」として、家庭というブラックボックスの中で子育ても家事も介護も自分の身づくろいも一手に引き受け、社会の一単位、一部品として正しく機能すべしときっちりやってきた日本女性に、さらに「まぁ、家庭もいろいろあると思うけど、家庭に引っ込まないでちゃんと働き続けてよね」という社会的要請が賦課された状態だからだ。

以前、「日本のワーキングマザーが疲れ果てている」でも書いたけれど、「頑張れ、もっと頑張れ、応援するから頑張れ」と音頭を取って、日本女性に社会的な活躍を期待する割には、「女性が輝く」環境がまだまだ全然整っていない。

日本女性がその前から社会的に期待されちゃっている負担、つまり子育てや家事や介護の部分、それが「労働」だとさえ認識されず「(妻として母として女として)当然の役割」として背負わされている荷が、まだまだ全然軽減されていない。

だって、子どもが幼稚園や学校に行ったら、まだPTAなんてものがあって、「参加はお母さんがデフォルト」で、平日の日中にちまちま集まって学校の行事を「子どもたちのために」請け負ったりしている。

外食や総菜が多いと「お母さん、もう少しお子さんやダンナさんの栄養に気をつかってあげて下さいね」と含みのある笑いでたしなめられたりする。

高齢の両親に何かがあったとき、まず家族の誰かが面倒を見る。親族でも医療従事者でも、男と女、咄嗟にどちらにその日々の介護作業を期待されるかと言えば、その答えは「女の人の方がいいですね」であることがまだまだ、断然、多い。

(ここで『まだまだ』と繰り返しことわっているのは、News Digのような意識高い系のブログメディアだと『そんなことない、この書き手は視野が狭い。僕の知っている例ではこうだし、僕はそんな女性に理解のない古い人間とは違ってちゃんと世界の潮流にも目配りして社会の流れについていっているし、僕は家事も当然するし当然イクメンだし、要するにこの書き手は狭量だ』という反応があるからで、そういう素敵な優れて意識高い男性はまだまだレアで、社会の小さな一角の本当に特別な存在で、ぜひとも今後益々のご発展とご活躍をお祈りしておりますということを強調したいからである。)

閑話休題。さて、いろいろな方面から矢のように降ってくる社会的要請に応えている日本人女性が、すり減らないわけがない。そしてこの期に及んで「もっと労働効率を上げなきゃ」というのは、「どこ見てるんですか」という感じだ。

日本の女性の(不可視な部分も含めた)労働量、生産効率の高さ、マルチタスク能力、その全ての仕事の完成度は、言っちゃ悪いが世界でトップレベルである。世界でも定評のある丁寧な仕事をしながら、早朝に起きて子どものためにキャラ弁作って送り出すとか、家の中も(欧米の女性誌で話題になるほど)衛生的でキレイに片付いているとか、いつも身ぎれいで人にも優しいとか。私は自分が一ミリもそんなんじゃないから、いつも口をぽかんと開けてショックを受ける。「日本の女の人って、どんだけ聖女!? 」

女性の労働参加率を上げたかったら、日本社会で「慣習」レベルに認識されているような当然の家庭内労働を変えることに手を付けなければならない。家庭内労働を縮小したり、別の誰かへとシフトせねばならない。手を付けること、社会習慣が変化することを受け入れなければならない。

日本の女性は、世界トップレベルでもう充分効率よく労働している。むしろ生産効率のお手本である。夕方5時退社、育児休暇も長期休暇も保証され、子どもはどこにでもあり安い保育所に一日中任せることができて、夕食は毎日冷凍ピザでも誰からも文句を言われず、協力的で優しい男性に支えられて「男女同権」社会をエンジョイしている世界は、日本女性が「社会的習慣」や「目に見えない期待」にがんじがらめになりながら、どういう完成度のレベルでどういう生活を回しているか、数字だけでなくミクロの現実を見てほしい。

だから、もうこれ以上日本人女性は精度の高い仕事/家事ロボットにならなくていい。デキるワーキングマザーなんかじゃなくていい。都合のいい女にならなくていい。期待に応えなくていい。むしろ放り投げて「女にばっかりいろいろ求めないでよ。じゃぁアンタがやってみれば」と言ってみたっていい。責任感が強くて優しい日本人女性は、絶対にそんなことしないだろうけれど。

アメリカや北欧に比べていかに女性が登用されていないか、とか、いかに女性が職場に不満を持っているか、いかに夫の協力が得にくいか、社会の協力が得にくいか、自分たちが「いろいろな要請の中、孤独であるか」。そんなのは、いまさら数字で説明されなくたって、日本人女性はよくわかっている。そしてそれはGoogleカレンダーやGoogle+を使えばどうにかなるものじゃない。

(河崎 環)
オールアバウト(2014年8月7日12時30分)
http://allabout.co.jp/newsdig/w/69629

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 いや、本当に読んでて「うんうん」と納得してしまいます。
 記事中で指摘されている問題は、晩婚化や少子化にも通じることであって、この辺りを棚上げして問題を解決しようとしている政府の認識もピントがずれていることがわかります。
 というか、GoogleカレンダーやGoogle+を使ったところでたいして仕事の効率なんて上がらない気もするんだけどね。

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